学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ29P108
理由で解く 柔道整復師

膝を他動的に曲げたときにその動きを妨げるのは、膝を伸ばす向きに働く筋である。大腿前面の受傷が疑われる状況で、大腿直筋が伸びにくくなった状態を考える。
受傷から4週が経ち、痛みが落ち着くはずの時期に「膝が曲げにくい」と訴えている点が手がかりになる。大腿前面の打撲では、血腫が器質化して瘢痕拘縮を残したり、骨化性筋炎に進んだりして、大腿四頭筋の伸張性が失われる。膝屈曲は大腿四頭筋を引き伸ばす動きなので、伸張性が落ちるとそのまま他動屈曲の制限として現れる。なかでも大腿直筋は股関節と膝関節の両方をまたぐ二関節筋(股関節屈曲+膝伸展)であり、一般に大腿直筋が拘縮すると、腹臥位で膝を他動屈曲したときに大腿直筋が突っ張って骨盤・殿部が持ち上がる、いわゆる尻上がり現象がみられる。広筋群のような単関節筋の拘縮では、股関節を巻き込むこの動きは出にくい。対応は温熱と、痛みの出ない範囲での段階的な可動域訓練が基本である。骨化性筋炎が疑われる時期は強いマッサージや無理な他動伸張を避け、画像評価のために医療機関へつなぐ。
| 筋 | またぐ関節 | 主な作用 | 膝を他動屈曲したとき | 拘縮したときの所見(一般論) |
|---|---|---|---|---|
| 大腿直筋 | 股関節・膝関節 | 股関節屈曲+膝伸展 | 強く伸張され屈曲を制限 | 尻上がり現象(腹臥位で殿部挙上) |
| 腸腰筋 | 股関節 | 股関節屈曲 | 変化しない | 股関節伸展制限(トーマステスト) |
| 腓腹筋 | 膝関節・足関節 | 膝屈曲+足関節底屈 | 緩む | 足関節背屈制限 |
| 半膜様筋 | 股関節・膝関節 | 膝屈曲+股関節伸展 | 緩む(屈曲の動力) | SLR制限・膝伸展制限 |
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