学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ29P019

理由で解く 柔道整復師

QJ29P019 リハビリテーション医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問19
問題
最も深部に到達する温熱はどれか。
選択肢
1 ホットパック
2 極超短波
3 赤外線
4 超音波
解答
正解4(超音波)
解説

選択肢のなかで最も深部まで熱が届くのは 4 の超音波である。エネルギーが機械的振動として組織内を進み、およそ3〜5cmの深さまで加温できる。

温熱療法は深達度によって表在温熱と深部温熱に分けられる。ホットパックは加温した保温材からの伝導熱、赤外線は輻射熱で、いずれも皮膚から皮下のごく浅い層(おおむね1cmまで)を温める表在温熱である。極超短波(マイクロ波)は電磁波によって皮下脂肪から表層の筋まで届く深部温熱だが、到達はおおむね3cm程度にとどまる。超音波は1MHz帯で3〜5cm程度と選択肢中で最も深く、音響インピーダンスの差が大きい境界(骨と軟部組織、腱・靱帯・関節包)でよく熱が発生するため、深部の関節拘縮や腱の疼痛に用いられる。いずれの温熱でも、感覚障害のある部位、悪性腫瘍、出血傾向、成長期の骨端線、眼、心臓ペースメーカー、体内金属(極超短波)などの禁忌・注意点を実施前に必ず確認する。

✓ 4. 正しい
超音波
縦波の機械的振動が組織内を伝わり、深部で吸収されて熱に変わる。1MHzでおよそ3〜5cmと選択肢中で最も深達度が高く、骨と軟部組織の境界で効率よく加温されるため深部の関節・腱に適する。骨膜痛を避けるため導子を動かす移動法で照射する。
✗ 1. 誤り
ホットパック
加温した保温材を体表に当てる伝導熱による表在温熱で、深達度はおよそ1cm以内にとどまる。手軽で心地よく、運動療法の前処置として広く使われる。
✗ 2. 誤り
極超短波
マイクロ波を用いた深部温熱で、ホットパックや赤外線より深く届くが到達はおおむね3cm程度で超音波には及ばない。体内金属や心臓ペースメーカーのある部位には用いない。
✗ 3. 誤り
赤外線
輻射熱による表在温熱で、届くのは皮膚から皮下のごく浅い層である。広い面積を非接触で温められる利点があるが、深部到達という点では最も浅い部類に入る。
ポイント
  • 表在温熱=ホットパック・パラフィン浴・赤外線・渦流浴(おおむね1cmまで)。
  • 深部温熱=超音波(3〜5cmで最深)・極超短波(約3cm)・短波ジアテルミー。
  • 熱の伝わり方が違う: 超音波は機械的振動、極超短波と短波は電磁波、ホットパックは伝導、赤外線は輻射。
  • 超音波は骨と軟部組織の境界で発熱しやすい。骨膜痛を避けて導子を動かす移動法で行う。
  • 禁忌・注意: 感覚障害部位、悪性腫瘍、出血傾向、成長期の骨端線、眼、妊婦の腹部など。体内金属・ペースメーカーには極超短波を使わない。
比較表
温熱の種類熱の伝わり方おおよその深達度特徴・注意点
超音波機械的振動(縦波)の吸収3〜5cm(最も深い)骨・軟部組織の境界でよく発熱。移動法で骨膜痛を避ける
極超短波(マイクロ波)電磁波約3cm体内金属・ペースメーカーには使用しない
ホットパック伝導約1cm以内表在温熱。低温熱傷に注意しタオル等で厚みを確保
赤外線輻射皮膚〜皮下のごく浅い層非接触で広範囲を加温できる
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