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理由で解く 柔道整復師

QJ29P020 リハビリテーション医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問20
問題
バネによる足関節運動補助機能がある足継手はどれか。
選択肢
1 遊動継手
2 後方制動継手
3 前方制動継手
4 クレンザック継手
解答
正解4(クレンザック継手)
解説

継手の後方にコイルスプリングを組み込み、底屈を受け止めながら背屈を助けるのが 4 のクレンザック継手である。

短下肢装具の足継手は、足関節の動きをどこまで許し、どの方向を止めるかで使い分ける。遊動継手は背屈・底屈とも自由で制動機構をもたず、制動継手は継手の前方または後方にストッパー(ロッドやピン)を置いて一方向の動きを制限する仕組みである。クレンザック継手は継手後方にコイルスプリングを内蔵しており、立脚初期には底屈をバネがゆっくり受け止めて衝撃を吸収し、遊脚期にはバネの反発力で足部を背屈方向へ引き上げる。腓骨神経麻痺による下垂足や脳卒中片麻痺で遊脚期に足尖が引っかかる例に対する標準的な選択肢で、ダブルクレンザック継手ではロッドとスプリングを前後に組み合わせて背屈・底屈それぞれの制限角度を後から調整できる。

✓ 4. 正しい
クレンザック継手
継手後方のコイルスプリングが底屈を制動しつつ、その反発力で背屈を補助する。設問の「バネによる足関節運動補助機能」に当たるのはこの継手で、下垂足における遊脚期のつま先クリアランス確保に用いる。
✗ 1. 誤り
遊動継手
背屈・底屈とも自由に動く継手で、制動機構もバネによる補助機能ももたない。足関節の可動性をできるだけ残したい場合に選択する。
✗ 2. 誤り
後方制動継手
継手後方のストッパーで底屈を制限する構造であり、尖足の防止には有効だが、バネの力で背屈を積極的に助ける仕組みではない。
✗ 3. 誤り
前方制動継手
継手前方のストッパーで背屈を制限する構造で、下腿三頭筋の筋力低下により立脚中期に下腿が前傾しすぎる(膝折れ傾向)例に用いる。やはりバネによる運動補助は行わない。
ポイント
  • 短下肢装具の足継手は「どの方向を止め、どの方向を助けるか」で選ぶ。
  • クレンザック継手=後方コイルスプリング。底屈を制動し背屈を補助する。下垂足の第一候補。
  • 遊動継手=制限なし/後方制動継手=底屈を制限/前方制動継手=背屈を制限。
  • ダブルクレンザック継手はロッドとスプリングの組合せで背屈・底屈の制限角度を調整できる。
  • 下垂足では遊脚期の足尖引っかかりによるつまずき・転倒が問題。装具で足関節を中間位に保ち、併せて歩行練習を行う。
比較表
足継手構造制限・補助の働き主な適応
遊動継手制動機構なし背屈・底屈とも自由可動性を残したい例
後方制動継手継手後方のストッパー底屈を制限尖足の防止
前方制動継手継手前方のストッパー背屈を制限下腿三頭筋の筋力低下、膝折れ傾向
クレンザック継手継手後方のコイルスプリング底屈を制動+バネで背屈を補助下垂足(腓骨神経麻痺、片麻痺の遊脚期)
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