学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ28P081

理由で解く 柔道整復師

QJ28P081 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問81
問題
電気療法で正しいのはどれか。
選択肢
1 表在性の疼痛には低い周波数が適している。
2 神経を興奮させることができる。
3 刺激強度は筋収縮が得られるまでとする。
4 マイクロ波は電気療法の一つである。
解答
正解2(神経を興奮させることができる。)
解説

電気刺激は神経の細胞膜を脱分極させ、活動電位を発生させることができます。これが鎮痛にも筋の再教育にも使われる、電気療法の根本原理です。

一定以上の強さと持続時間をもつ電流が神経線維に流れると、膜電位が閾値まで押し上げられ、活動電位が生じます。どの神経を優先して興奮させるかは刺激の条件で変わり、太い感覚神経(Aβ線維)を選んで興奮させると、脊髄後角のゲートコントロール機構が働いて痛みの伝達が抑えられます(TENS)。運動神経を興奮させれば筋収縮が得られ、廃用予防や筋再教育に使えます(EMS)。つまり「何を狙うか」で周波数・パルス幅・強度を設計するのが電気療法であり、強度を一律に決めるものではありません。実施の前には皮膚の傷や湿疹の有無、体内の金属やペースメーカの有無、感覚が脱失した部位でないか(熱傷や過刺激に気づけないため)を確認し、電極は十分な面積を密着させて用います。

✓ 2. 正しい
神経を興奮させることができる。
電流によって神経の細胞膜を脱分極させ、活動電位を発生させられます。感覚神経を興奮させれば鎮痛(TENS)、運動神経を興奮させれば筋収縮(EMS)が得られます。
✗ 1. 誤り
表在性の疼痛には低い周波数が適している。
対応が逆になっています。表在で急性の痛みには高い周波数(高頻度)の刺激を用いるのが一般的で、低い周波数(低頻度)はより深部の痛みや慢性の痛みに用いられます。
✗ 3. 誤り
刺激強度は筋収縮が得られるまでとする。
強度は目的で決めます。鎮痛が目的なら筋収縮を伴わない感覚レベルにとどめ、患者が心地よいと感じる範囲で調整します。筋収縮まで上げるのは筋再教育など収縮そのものを狙う場合です。
✗ 4. 誤り
マイクロ波は電気療法の一つである。
マイクロ波は電磁波を照射して組織を内部から温める温熱療法(深部温熱)です。体内に電流を流して神経・筋を刺激する電気療法とは区分が異なります。
ポイント
  • 電気療法の原理は神経の脱分極。感覚神経を狙えば鎮痛、運動神経を狙えば筋収縮。
  • 刺激強度は目的で決める。鎮痛目的なら筋収縮を伴わない感覚レベルに留める。
  • 表在・急性の痛みには高い周波数(高頻度)、深部・慢性の痛みには低い周波数(低頻度)が一般的。
  • マイクロ波・超短波は電磁波による温熱療法。電気療法とは別区分。
  • 実施前に皮膚の状態、体内金属・ペースメーカ、感覚脱失部位でないかを確認する。
比較表
狙い刺激の考え方
鎮痛(TENS)太い感覚神経(Aβ)を興奮させる。筋収縮を伴わない感覚レベルの強度
筋収縮を得る(EMS・筋再教育)運動神経・運動点を刺激。収縮が確認できる強度まで
表在・急性の痛み高い周波数(高頻度)
深部・慢性の痛み低い周波数(低頻度)
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