学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ25P074

理由で解く 柔道整復師

QJ25P074 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問74
問題
受傷1週以内に行う指導管理で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 上腕骨顆上骨折→-疼痛増強時には患部を十分冷却させる。
2 橈骨遠位端骨折ー・手指の自動運動を積極的に行わせる。
3 アキレス腱断裂-固定状態での患肢荷重訓練をさせる。
4 前距腓靱帯損傷就寝時に踵部を床に接地させる。
解答
正解2(橈骨遠位端骨折ー・手指の自動運動を積極的に行わせる。)
解説

受傷1週以内は腫脹の管理と合併症の防止が最優先となる。橈骨遠位端骨折で固定外の手指を積極的に自動運動させることは、腫脹軽減と拘縮予防の両方に働く正しい指導である。

この時期の指導管理は「固定していない関節は動かす」「腫脹は挙上で引かせる」「痛みの変化は合併症のサインとして扱う」の3点で判断できる。橈骨遠位端骨折の固定は前腕から手関節までで、MP関節から先は自由に動かせるようにしておく。手指を握り開きする自動運動は筋ポンプとして静脈・リンパの還流を促し、腫脹を減らすと同時に手指の拘縮や複合性局所疼痛症候群の予防にもつながる。一方、上腕骨顆上骨折で疼痛が増強する場合はフォルクマン拘縮につながる循環障害を疑うべき場面であり、冷却で様子をみるのは判断を遅らせる。アキレス腱断裂の1週以内は腱の連続性を守る時期で荷重訓練は早すぎ、足関節外側靱帯損傷では就寝時こそ患肢を心臓より高く保って腫脹を引かせたい。

✓ 2. 正しい
橈骨遠位端骨折ー・手指の自動運動を積極的に行わせる。
固定範囲外である手指を自動で動かすことは、筋ポンプ作用で腫脹を軽減し、手指の拘縮や肩の二次的な可動域制限を防ぐ。骨折部を動かさずに行えるため受傷直後から指導できる。
✗ 1. 誤り
上腕骨顆上骨折→-疼痛増強時には患部を十分冷却させる。
顆上骨折で疼痛が増していくときは、腫脹による循環障害(フォルクマン拘縮の前段階)を第一に考える場面である。冷却で経過をみるのではなく、直ちに固定と包帯を緩めて末梢の色・温度・橈骨動脈拍動・手指の自動運動と感覚を確認し、速やかに医師の診察につなぐ。
✗ 3. 誤り
アキレス腱断裂-固定状態での患肢荷重訓練をさせる。
受傷1週以内は断裂した腱が架橋され始めたばかりの時期で、荷重による伸張は断端の離開を招きうる。この時期は尖足位固定を保ち、免荷での松葉杖歩行と患肢挙上を指導する。荷重は固定の進行に合わせて段階的に開始する。
✗ 4. 誤り
前距腓靱帯損傷就寝時に踵部を床に接地させる。
就寝時は下腿から足部を心臓より高く挙上し、静脈還流を助けて腫脹を引かせたい時期である。踵を床(寝床)に接地させる姿勢では下垂位に近く、腫脹が残りやすい。枕やクッションで下腿全体を支える方法を具体的に伝える。
ポイント
  • 受傷1週以内の三原則:固定外の関節は自動運動、患肢は挙上、疼痛増強は合併症のサインとして扱う。
  • 橈骨遠位端骨折では手指(MP以遠)と肩の自動運動を励行し、腫脹軽減と拘縮予防を図る。
  • 上腕骨顆上骨折の疼痛増強はフォルクマン拘縮を疑い、固定を緩めて循環・神経を確認し、直ちに医師へ紹介する。
  • アキレス腱断裂の初期は尖足位固定+免荷。荷重は経過に応じて段階的に進める。
  • 足関節外側靱帯損傷では就寝時も含めて患肢挙上を続けるよう、具体的な姿勢まで指導する。
比較表
損傷受傷1週以内に行うこと避けること
上腕骨顆上骨折循環・神経の反復チェック、挙上、異常時は医師へ疼痛増強を冷却で経過観察する
橈骨遠位端骨折手指・肩の自動運動、挙上固定外関節を安静にしすぎる
アキレス腱断裂尖足位固定、免荷歩行、挙上荷重訓練、背屈方向のストレス
前距腓靱帯損傷固定+寒冷+圧迫+挙上(就寝時も)下垂位で寝る、早期の内反ストレス
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。