学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P082

理由で解く 柔道整復師

QJ28P082 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問82
問題
骨折治癒を促進する力学的因子はどれか。
選択肢
1 屈曲力
2 牽引力
3 剪断力
4 圧迫力
解答
正解4(圧迫力)
解説

骨折面に軸方向の圧迫力が加わると骨癒合は促進されます。牽引力・剪断力・屈曲力は骨片を離開させたり動揺させたりして、治癒を遅らせます。

骨は加わる力に応じて形と量を変える組織で、圧迫応力のかかる部位には骨が付加されます(Wolffの法則)。骨折部でも同じことが起こり、骨折面同士が押しつけられていれば骨片間の間隙は小さく保たれ、血腫と仮骨が途切れずに橋渡しを続けられるため、癒合が順調に進みます。これに対して牽引力は骨片を引き離して間隙を広げます。剪断力は骨折面を横にずらし、屈曲力は片側を開かせるため、いったんできかけた仮骨の橋が繰り返し断ち切られます。その結果として遷延治癒や偽関節に至ります。臨床では、良好な整復位で骨片間の接触面積を確保すること、整復位が保てる適切な固定を行うこと、そして時期をみて段階的に荷重(軸圧)を加えていくことが、この原理の実践にあたります。

✓ 4. 正しい
圧迫力
骨折面が押しつけられることで骨片間の間隙が保たれ、仮骨の連続が途切れません。生理的な軸圧は骨形成を促す刺激としても働きます。
✗ 1. 誤り
屈曲力
骨折部の片側を開かせる力で、できかけた仮骨を繰り返し断裂させます。癒合を遅らせる方向に働きます。
✗ 2. 誤り
牽引力
骨片を引き離して間隙を広げます。間隙が大きいと仮骨が橋渡しできず、遷延治癒や偽関節の原因になります。
✗ 3. 誤り
剪断力
骨折面を横方向にずらす力で、骨片間の動揺を生みます。仮骨の連続が保てず癒合が妨げられます。
ポイント
  • 骨癒合を促すのは骨折面への圧迫力(軸圧)。牽引・剪断・屈曲・捻転は阻害する。
  • 原理はWolffの法則。圧迫応力のかかる部位に骨が付加される。
  • 間隙が広がる/骨片が動揺すると、仮骨の橋渡しが繰り返し断たれて遷延治癒・偽関節へ。
  • 実践としては、良好な整復位で接触面積を確保し、動揺を許さない固定を行い、時期をみて段階的に荷重を加える。
比較表
力の種類骨折部で起こること治癒への影響
圧迫力(軸圧)骨折面が押しつけられ間隙が小さく保たれる促進
牽引力骨片が引き離され間隙が広がる阻害(遷延治癒・偽関節)
剪断力骨折面が横方向にずれ動揺する阻害
屈曲力片側が開き、仮骨が繰り返し断裂する阻害
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