学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §11 総論 初期の施術 / QJ28P080

理由で解く 柔道整復師

QJ28P080 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問80
問題
整復位が良肢位となるのはどれか。
選択肢
1 上腕骨外科頸骨折
2 上腕骨外顆骨折
3 肘頭骨折
4 橈骨遠位端伸展型骨折
解答
正解1(上腕骨外科頸骨折)
解説

上腕骨外科頸骨折の整復位・固定肢位は、肩をわずかに屈曲・外転・内旋し、肘を約90度屈曲した肢位で、これは上肢の良肢位とほぼ重なります。

良肢位とは、その関節の運動が制限されたまま固まったとしても、日常生活の支障が最も小さくなる肢位のことです。上肢では、肩関節が外転10〜30度で軽度屈曲・軽度内旋、肘関節が約90度屈曲、前腕が中間位から軽度回内、手関節が背屈20〜30度あたりが目安になります。一方、骨折の固定肢位は本来「整復した位置を保ちやすいこと」で決まるので、良肢位と一致するとは限りません。上腕骨外科頸骨折では、骨片の転位を戻して保持する肢位がたまたま上肢の良肢位に近く、長期の固定でも拘縮が残りにくいという利点があります。逆に、肘頭骨折の伸展位固定や橈骨遠位端伸展型骨折の掌屈・尺屈位固定は良肢位から明らかに外れます。こうした骨折では、固定期間中から隣接する関節(手指・肩など)を積極的に動かし、固定除去後は早期から良肢位の方向へ可動域訓練を進めることが、機能を残すうえで重要になります。

✓ 1. 正しい
上腕骨外科頸骨折
肩関節を軽度屈曲・軽度外転・軽度内旋し、肘を約90度屈曲して固定します。この肢位が上肢の良肢位とほぼ一致するため、固定が長引いても機能的な不利が小さく済みます。
✗ 2. 誤り
上腕骨外顆骨折
骨片の転位を防ぐため、肘関節屈曲位に加えて前腕を回外位に保って固定することが多く、前腕中間位という良肢位から外れます。
✗ 3. 誤り
肘頭骨折
上腕三頭筋の牽引で骨片が近位へ引き離されるため、肘関節を伸展位から軽度屈曲位で固定します。肘90度屈曲という良肢位から外れます。
✗ 4. 誤り
橈骨遠位端伸展型骨折
整復位を保つために手関節を掌屈・尺屈位で固定します。手関節軽度背屈という良肢位から外れるため、固定除去後の可動域訓練が特に重要になります。
ポイント
  • 上肢の良肢位:肩外転10〜30度・軽度屈曲・軽度内旋/肘約90度屈曲/前腕中間位〜軽度回内/手関節背屈20〜30度。
  • 固定肢位は「整復位を保てること」で決まる。良肢位と一致するとは限らない。
  • 上腕骨外科頸骨折は、その固定肢位が上肢の良肢位とほぼ重なる数少ない例。
  • 肘頭骨折(伸展位)・橈骨遠位端伸展型骨折(掌屈尺屈位)・上腕骨外顆骨折(前腕回外位)は良肢位から外れる。
  • 良肢位から外れる固定では、固定中から隣接関節を動かし、除去後は早期に可動域訓練を進める。
比較表
骨折主な固定肢位良肢位との関係
上腕骨外科頸骨折肩軽度屈曲・軽度外転・軽度内旋、肘約90度屈曲ほぼ一致する
上腕骨外顆骨折肘屈曲位、前腕回外位前腕の肢位が外れる
肘頭骨折肘伸展位〜軽度屈曲位肘の角度が外れる
橈骨遠位端伸展型骨折手関節掌屈・尺屈位手関節の向きが外れる
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