学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §8 総論 関節の損傷 / QJ28P078

理由で解く 柔道整復師

QJ28P078 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問78
問題
関節部の損傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 大部分が直達外力によるものである。
2 関節円板障害は足関節にみられる。
3 捻挫は靱帯損傷として認識される。
4 顎関節脱臼は関節包断裂を認める。
解答
正解3(捻挫は靱帯損傷として認識される。)
解説

捻挫は、関節に生理的な範囲を超えた運動が強制されて起こる関節包・靱帯の損傷であり、臨床では靱帯損傷として重症度が評価されます。

関節部の損傷は、関節から離れた部位に加わった力が、てこや回旋として関節に伝わることで起こる介達外力によるものが大部分です。足関節の内反捻挫も、指の側副靱帯損傷も、力が加わった場所と壊れた場所が離れています。捻挫の内容は、線維の伸張から部分断裂、完全断裂までの連続した幅をもち、Ⅰ度(伸張)・Ⅱ度(部分断裂)・Ⅲ度(完全断裂)と靱帯損傷の重症度として評価されます。急性期は安静・冷却・圧迫・挙上で腫脹を抑え、不安定性が疑われるものや靱帯付着部の裂離骨折を否定できないものは医師の診断を仰ぎます。なお関節内に線維軟骨の板をもつ関節は限られており、関節円板は顎関節・胸鎖関節・肩鎖関節・遠位橈尺関節に、半月板は膝関節にあります。足関節にはどちらもありません。

✓ 3. 正しい
捻挫は靱帯損傷として認識される。
捻挫の実体は関節包・靱帯の線維の損傷です。伸張から完全断裂までをⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度と段階づけて評価し、程度に応じて固定期間と復帰の進め方を決めます。
✗ 1. 誤り
大部分が直達外力によるものである。
逆で、関節部の損傷は介達外力によるものが大部分です。外力が加わった部位と損傷部位が離れているため、受傷機転を丁寧に聞き取ることが診断の手がかりになります。
✗ 2. 誤り
関節円板障害は足関節にみられる。
関節円板をもつのは顎関節・胸鎖関節・肩鎖関節・遠位橈尺関節です。足関節には関節円板も半月板もありません。膝関節にあるのは半月板です。
✗ 4. 誤り
顎関節脱臼は関節包断裂を認める。
顎関節脱臼(両側前方脱臼が代表)では、関節包が引き伸ばされて緩むものの断裂しないのが特徴です。下顎頭が関節結節を越えて前方に移動し、口が閉じられなくなります。
ポイント
  • 関節部の損傷は介達外力によるものが大部分。受傷機転の聞き取りが診断の入口になる。
  • 捻挫=関節包・靱帯の損傷。Ⅰ度(伸張)・Ⅱ度(部分断裂)・Ⅲ度(完全断裂)で評価する。
  • 関節円板をもつのは顎関節・胸鎖関節・肩鎖関節・遠位橈尺関節。膝は半月板、足関節にはない。
  • 顎関節脱臼は関節包が断裂せず伸展・弛緩するのが特徴。
  • 不安定性がある捻挫、靱帯付着部の裂離骨折が否定できないものは医師の診断につなぐ。
比較表
関節介在する線維軟骨
顎関節関節円板
胸鎖関節関節円板
肩鎖関節関節円板
遠位橈尺関節関節円板(三角線維軟骨)
膝関節半月板(内側・外側)
足関節もたない
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。