学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §7 総論 脱臼 / QJ28P077

理由で解く 柔道整復師

QJ28P077 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問77
問題
脱臼の病態と発生部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 反復性脱臼-膝関節
2 随意性脱臼第2指MP 関節
3 拡張性脱臼股関節
4 恒久性脱臼肘関節
解答
正解3(拡張性脱臼股関節)
解説

拡張性脱臼は、関節内に液体が貯まって関節包が押し広げられ、骨頭が押し出される脱臼です。小児の化膿性股関節炎などにみられ、股関節との組合せが正しいものになります。

脱臼を病態で分けると、外傷性、病的(拡張性・破壊性・麻痺性)、反復性、随意性、先天性、恒久性に整理できます。拡張性脱臼は、関節液・血液・膿が貯留して関節内圧が上がり、関節包が伸びて骨頭が亜脱臼から脱臼の位置へ移動するものです。関節包に余裕があり、しかも荷重がかかる股関節で起こりやすく、小児の化膿性股関節炎が代表例です。反復性脱臼は初回の外傷で関節唇や関節包に修復されない損傷が残り、その後は軽い外力でも繰り返すもので、肩関節が圧倒的に多くなります。随意性脱臼は本人の意思で脱臼させ、また整復できるもので、肩関節や膝蓋骨にみられます。恒久性脱臼は麻痺性や病的な要因で脱臼位のまま整復されずに経過したものを指します。組合せ問題は、それぞれの病態を「最も起こりやすい関節」と1対1で結び直しておくと、選択肢を見た瞬間に判定できます。

✓ 3. 正しい
拡張性脱臼股関節
関節内の液体貯留で関節包が拡張して起こる脱臼です。小児の化膿性股関節炎などで股関節に生じます。乳幼児で発熱と股関節の運動痛、患肢の運動を嫌がる所見があれば緊急性が高く、直ちに医師へつなぎます。
✗ 1. 誤り
反復性脱臼-膝関節
反復性脱臼の代表は肩関節です。膝周辺で反復するのは膝蓋骨(反復性膝蓋骨脱臼)であり、膝関節そのものではありません。
✗ 2. 誤り
随意性脱臼第2指MP 関節
随意性脱臼は肩関節や膝蓋骨にみられます。手指のMP関節は側副靱帯と掌側板で安定しており、自らの意思で脱臼させられる関節としては挙げられません。
✗ 4. 誤り
恒久性脱臼肘関節
恒久性脱臼は麻痺性・病的な要因で脱臼位が持続してしまった状態を指し、肘関節に特徴的な病態ではありません。肘関節に多いのは外傷性の後方脱臼です。
ポイント
  • 拡張性脱臼=関節内の液体貯留で関節包が拡張 → 股関節(小児の化膿性股関節炎など)。
  • 反復性脱臼=初回外傷の遺残損傷で繰り返す → 肩関節が代表。膝では膝蓋骨。
  • 随意性脱臼=本人の意思で脱臼・整復できる → 肩関節、膝蓋骨。
  • 恒久性脱臼=麻痺性・病的要因で脱臼位のまま持続する状態。特定の外傷好発部位とは結びつかない。
  • 組合せ問題は「病態 → 最も起こりやすい関節」を1対1で暗記しておくと即答できる。
比較表
病態内容起こりやすい部位
拡張性脱臼関節液・血液・膿の貯留で関節包が拡張し骨頭が押し出される股関節(小児の化膿性股関節炎など)
反復性脱臼初回外傷の遺残損傷により軽い外力で繰り返す肩関節
随意性脱臼本人の意思で脱臼・整復できる肩関節、膝蓋骨
恒久性脱臼麻痺性・病的要因で脱臼位のまま持続する特定の外傷好発部位はない
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