学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P076

理由で解く 柔道整復師

QJ28P076 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問76
問題
骨折の治癒過程で正しいのはどれか。
選択肢
1 炎症期には類骨に石灰塩が沈着する。
2 仮骨形成期には成熟した緻密質が作られる。
3 仮骨硬化期には線維素網が作られる。
4 リモデリング期には力学的に有利な形態に順応する。
解答
正解4(リモデリング期には力学的に有利な形態に順応する。)
解説

リモデリング期には、余分な仮骨が吸収され、力のかかる方向に沿って緻密質が作り直されます。「力学的に有利な形態に順応する」という記述が正しい説明です。

骨折の治癒は4つの段階を順に進みます。まず骨折部に血腫ができ、その中のフィブリン(線維素)網が足場となって毛細血管と線維芽細胞が入り込みます(炎症期・血腫器質化期)。次に骨芽細胞がコラーゲンを主体とする類骨(骨様組織)を作り、軟骨内骨化と膜内骨化によって幼若で軟らかい仮骨が骨折部を橋渡しします(仮骨形成期)。この類骨に石灰塩が沈着して硬さを得るのが仮骨硬化期で、臨床的骨癒合が得られる時期にあたります。最後に、破骨細胞が過剰な仮骨を吸収し、Wolffの法則に従って荷重のかかる方向に緻密質が再構築され、骨髄腔も再開通します(リモデリング期)。この流れを「血のかたまり → やわらかい骨 → かたい骨 → 形を整える」という一本の物語として覚えておけば、選択肢が入れ替えられていてもすぐ気づけます。

✓ 4. 正しい
リモデリング期には力学的に有利な形態に順応する。
過剰な仮骨が破骨細胞に吸収され、応力のかかる方向に骨が付加されます。Wolffの法則に沿った作り直しであり、最終的に緻密質と骨髄腔が再構築されます。
✗ 1. 誤り
炎症期には類骨に石灰塩が沈着する。
石灰塩の沈着は仮骨硬化期の出来事です。炎症期に起こるのは血腫の形成と線維素網による器質化で、まだ骨組織はできていません。
✗ 2. 誤り
仮骨形成期には成熟した緻密質が作られる。
この時期に作られるのは幼若で軟らかい仮骨(類骨・線維性/軟骨性仮骨)です。成熟した緻密質への置き換えはリモデリング期に進みます。
✗ 3. 誤り
仮骨硬化期には線維素網が作られる。
線維素網が作られるのは炎症期です。硬化期はすでにできた類骨に石灰塩が沈着し、仮骨が硬さを得ていく段階です。
ポイント
  • 順番は「炎症期 → 仮骨形成期 → 仮骨硬化期 → リモデリング期」。血のかたまり→やわらかい骨→かたい骨→形を整える。
  • 線維素(フィブリン)網=炎症期。類骨=仮骨形成期。石灰塩の沈着=仮骨硬化期。緻密質の再構築=リモデリング期。
  • 臨床的骨癒合が得られるのは仮骨硬化期。骨性癒合の完成はリモデリング期を経て。
  • リモデリングを導く原理はWolffの法則。応力のかかる方向に骨が付加され、かからない側が吸収される。
  • この段階分けが問われるときは「どの時期に何ができるか」を1対1で照合するのが最短。
比較表
時期主な出来事合言葉
炎症期(血腫器質化期)血腫形成、線維素(フィブリン)網、毛細血管と線維芽細胞の侵入血のかたまり
仮骨形成期骨芽細胞が類骨を産生、幼若で軟らかい仮骨が橋渡しやわらかい骨
仮骨硬化期類骨に石灰塩が沈着して硬性仮骨へ(臨床的骨癒合)かたい骨
リモデリング期過剰仮骨の吸収、緻密質の再構築、骨髄腔の再開通形を整える
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