学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P075
理由で解く 柔道整復師
設問は「起こりにくいもの」を探す形式です。高齢者の骨折で問題になる続発症は臥床と全身機能の低下から生まれます。外傷性皮下気腫は空気の漏れであり、この経路では起こりません。
高齢者が大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折を負うと、痛みと固定で臥床期間が延び、そこから全身に連鎖が起こります。仙骨部・踵部など骨の突出部が持続的に圧迫されて血流が途絶えれば褥瘡ができます。臥位が続いて嚥下機能と咳嗽力が落ちれば、唾液や食物の誤嚥から誤嚥性肺炎、換気の乏しい背側の肺に痰が貯まって沈下性肺炎が生じます。排尿の自立が失われ膀胱留置カテーテルが入れば尿路感染の危険が高まります。ほかにも深部静脈血栓症と肺塞栓、廃用による筋力低下、せん妄や認知機能の低下が同じ経路で起こります。いずれも「動かないこと」が原因なので、対策も共通しています。体位変換と除圧、座位での食事と口腔ケア、十分な水分摂取、そして何より痛みを抑えたうえでの早期離床です。一方、外傷性皮下気腫は肋骨骨折に伴う肺・胸膜の損傷や気道・食道の損傷で空気が皮下組織へ漏れ出た状態であり、受傷機転そのものに由来する併発症です。加齢や臥床とは結びつきません。
| 区分 | 例 | 成り立ち |
|---|---|---|
| 続発症 | 褥瘡、誤嚥性肺炎・沈下性肺炎、尿路感染、深部静脈血栓症、廃用症候群 | 長期臥床と全身機能の低下から二次的に生じる |
| 併発症 | 外傷性皮下気腫、血気胸、血管・神経損傷 | 受傷時の外力で骨片や外力そのものが周囲組織を傷つける |
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