学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P074
理由で解く 柔道整復師
成長軟骨板のなかで肥大軟骨層は細胞が膨らんで基質が最も乏しく、力学的に最も弱い層です。骨端線離開はここで起こります。
成長軟骨板は骨端側から順に、静止(予備)軟骨層、増殖軟骨層、肥大軟骨層、石灰化層と並びます。肥大軟骨層では軟骨細胞が大きく膨らみ、そのぶん細胞と細胞の間を埋める基質が最も少なくなります。基質こそが力を受け止める構造なので、この層は剪断力や牽引力に対して周囲より脆弱になります。その結果、成人なら靱帯が断裂するような外力でも、小児では靱帯より先に骨端線が離開します。血行は骨端側から成長軟骨板へ供給されるため、肥大軟骨層での離開は増殖層と血行を残しやすく、成長障害を残しにくい型になります。逆にSalter-Harris分類のⅣ型・Ⅴ型のように増殖層まで損傷が及ぶと、成長障害や変形を残す危険があります。なお成長軟骨板は成長の終了とともに閉鎖し、成人では骨端線という痕跡を残すだけになるため、骨端線離開は小児に固有の損傷です。小児の骨にはほかにも、類骨が多くコラーゲンに富んで弾性が高い、石灰化が少ない、骨膜が厚く強靭で剥離しやすいが破れにくい、といった特徴があり、これが若木骨折や急性塑性変形、旺盛な仮骨形成と自家矯正の土台になっています。
| 項目 | 小児の骨 | 成人の骨 |
|---|---|---|
| 類骨・コラーゲン | 多く、線維に富む | 相対的に少ない |
| 石灰化密度 | 低い(たわむ) | 高い(硬いが脆い) |
| 骨膜 | 厚く強靭、剥離しやすいが破れにくい | 薄い |
| 成長軟骨板 | 開存している(肥大軟骨層が最も弱く、骨端線離開が起こる) | 閉鎖している(骨端線として痕跡を残す) |
| 仮骨形成・自家矯正 | 旺盛 | 乏しい |
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