学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §7 総論 脱臼 / QJ31P074

理由で解く 柔道整復師

QJ31P074 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問74
問題
脱臼の合併症はどれか。
選択肢
1 化膿性骨髄炎
2 阻血性壊死
3 変形治癒
4 関節強直
解答
正解2(阻血性壊死)
解説

阻血性壊死が脱臼の合併症。骨頭が関節から外れる際に、骨頭を養う血管が引き伸ばされたり断たれたりし、後になって骨頭が壊死に陥る。股関節脱臼後の大腿骨頭壊死が代表。

骨頭に入る栄養血管は、関節包や靱帯に沿って走っている。股関節では関節包に沿う血管と大腿骨頭靱帯内の血管が骨頭を養うため、脱臼するとこの供給路が損なわれ、整復して痛みが取れた後、月単位から年単位遅れて骨頭が潰れてくる。したがって脱臼は整復して終わりにせず、脱臼している時間を短くすること(早期整復)と、その後の定期的な画像評価につなぐことが要る。残る3つは、開放骨折に伴う感染、骨折の治り方の問題、あるいは長期経過後に残る後遺症であり、脱臼に伴って生じる合併症としては当てはまらない。

✓ 2. 正しい
阻血性壊死
脱臼によって骨頭への血行路が断たれ、遅れて骨頭が壊死する。整復までの時間が長いほどリスクが上がるため、早期整復が最大の予防になる。
✗ 1. 誤り
化膿性骨髄炎
骨が外界と交通する開放骨折や、骨への手術、血行性感染で生じる。閉鎖性の脱臼では骨が外に露出しないため起こらない。
✗ 3. 誤り
変形治癒
骨折が転位を残したまま癒合した状態を指す用語で、骨折の後遺症。脱臼は骨が折れていないので、この現象は生じない。
✗ 4. 誤り
関節強直
関節面や関節包の破壊・癒着によって関節が動かなくなった最終状態で、長期経過後に残る後遺症(後障害)にあたる。受傷に伴って生じる合併症とは区別する。
ポイント
  • 脱臼の合併症=骨折の合併、血管損傷、神経損傷(腋窩神経・坐骨神経など)、骨頭の阻血性壊死。
  • 脱臼の後遺症(後障害)=反復性脱臼、関節拘縮・強直、骨化性筋炎、変形性関節症。
  • 阻血性壊死の代表は股関節脱臼後の大腿骨頭壊死。早期整復がリスクを下げる。
  • 整復後に症状が消えても、壊死は数か月〜数年遅れて現れる。定期的な画像評価につなぐ。
  • 化膿性骨髄炎・変形治癒は骨折側の用語。損傷の種類とセットで整理する。
比較表
区分脱臼骨折
合併症(受傷時〜早期)骨折の合併、血管・神経損傷、阻血性壊死血管・神経損傷、脂肪塞栓、開放骨折での感染
後遺症(長期経過後)反復性脱臼、関節拘縮・強直、骨化性筋炎変形治癒、偽関節、遷延治癒、阻血性拘縮
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