学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §7 総論 脱臼 / QJ31P073

理由で解く 柔道整復師

QJ31P073 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問73
問題
脱臼の固有症状はどれか。
選択肢
1 限局性圧痛
2 異常可動性
3 弾発性抵抗
4 機能障害
解答
正解3(弾発性抵抗)
解説

弾発性抵抗が脱臼の固有症状。関節を他動的に動かそうとするとゴムを引くような抵抗があり、手を離すと元の異常肢位に戻る所見で、脱臼でしか説明できない。

外傷の症状は「一般外傷症状」と「固有症状」に分けて考える。疼痛・腫脹・機能障害・限局性圧痛は骨折でも脱臼でも捻挫でも出るため、それだけでは損傷の種類は決まらない。これに対し固有症状はその損傷に特有で、骨折なら異常可動性・軋轢音・転位(変形)、脱臼なら弾発性固定・関節部の変形(関節腔の空虚と骨頭の異常位置)・肢長の変化がこれにあたる。脱臼では骨頭が関節窩から外れた位置にあり、周囲の筋・靱帯・関節包が緊張して骨頭を保持するため、動かしても途中で止まり離すと戻る。この確認操作は繰り返さず、固有症状で脱臼を疑ったら骨折の合併と神経・血管損傷の有無を確かめてから整復の判断に進む。

✓ 3. 正しい
弾発性抵抗
関節窩から外れた骨頭を周囲の軟部組織が緊張して保持するために生じる。脱臼だけに見られる固有症状。
✗ 1. 誤り
限局性圧痛
損傷部位を指し示す有用な所見ではあるが、骨折・捻挫・打撲でも出る一般外傷症状。脱臼に固有ではない。
✗ 2. 誤り
異常可動性
本来動かないはずの骨幹部が動く所見で、これは骨折の固有症状。脱臼では逆に関節が動かなくなる。
✗ 4. 誤り
機能障害
関節が使えなくなること自体は、骨折・脱臼・捻挫・筋腱損傷のいずれでも起こる一般外傷症状。
ポイント
  • 脱臼の固有症状=弾発性固定(弾発性抵抗)、関節部の変形(関節腔の空虚・骨頭の異常位置)、肢長の変化。
  • 骨折の固有症状=異常可動性、軋轢音、転位(変形)。
  • 一般外傷症状=疼痛、腫脹、機能障害、限局性圧痛、皮下出血斑。単独では鑑別に使えない。
  • 弾発性固定は「ゴムのような抵抗があり、離すと元の位置に戻る」。確認は最小限にとどめる。
  • 脱臼を疑ったら、骨折の合併と末梢の神経・血管所見を確認してから整復の可否を判断する。
比較表
所見骨折脱臼
異常可動性・軋轢音固有症状みられない
弾発性固定みられない固有症状
変形骨幹の転位による関節腔の空虚・骨頭の異常位置
疼痛・腫脹・機能障害・限局性圧痛いずれにも出る一般外傷症状
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