学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §7 総論 脱臼 / QJ30P070

理由で解く 柔道整復師

QJ30P070 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問70
問題
外傷性脱臼の発生要因で正しいのはどれか。
選択肢
1 非感染性の炎症
2 関節包の断裂
3 弛緩性の麻痺
4 関節面の破壊
解答
正解2(関節包の断裂)
解説

外傷性脱臼は、正常な関節に生理的可動域を超える外力が加わり、関節包が破れて関節端が転位したものです。関節包の断裂を挙げた2が正しい選択肢です。

脱臼は「関節が正常か、外力が過大か」で分類すると整理できます。外傷性脱臼は正常な関節に過大な外力が加わって生じるため、定義上かならず関節包や靱帯の断裂を伴い、これが整復後の再脱臼リスクと固定期間の根拠にもなります。一方、関節自体に病変があって軽微な力で(あるいは外力なしに)外れるものを病的脱臼といい、関節液貯留で包が押し広げられる拡張性脱臼、関節面が壊れる破壊性脱臼、支持筋が働かなくなる麻痺性脱臼などに分かれます。残る3つの選択肢はいずれもこの病的脱臼の要因です。

✓ 2. 外傷性脱臼の要因(=答え)
関節包の断裂
外傷性脱臼では関節端が関節包を突き破って関節外へ出るため、関節包の断裂は必発です。だから整復後は損傷した関節包・靱帯が修復するまで適切な肢位で固定し、反復性脱臼への移行を防ぎます。
✗ 1. 外傷性脱臼の要因ではない(=答えではない)
非感染性の炎症
関節リウマチや関節水腫のように関節液が増えると、関節包が内側から押し広げられて緩みます。これは拡張性脱臼の要因であり、病的脱臼に分類されます。
✗ 3. 外傷性脱臼の要因ではない(=答えではない)
弛緩性の麻痺
関節を支える筋が働かなくなると、自重や体位変換だけで関節端がずれます。これは麻痺性脱臼で、やはり病的脱臼です。
✗ 4. 外傷性脱臼の要因ではない(=答えではない)
関節面の破壊
化膿性関節炎や結核性関節炎などで関節面そのものが壊れると、適合性が失われて脱臼します。これは破壊性脱臼で、病的脱臼に含まれます。
ポイント
  • 外傷性脱臼=正常な関節+過大な外力。関節包・靱帯の断裂を必ず伴う
  • 病的脱臼=関節に病変があり軽微な外力で外れる。拡張性・破壊性・麻痺性に分かれる
  • 拡張性は関節液貯留(非感染性の炎症)、破壊性は関節面の破壊(感染など)、麻痺性は支持筋の脱落
  • 反復性脱臼は初回外傷後に支持機構の修復が不十分なまま残り、軽い力で繰り返すもの
  • 関節包が破れている以上、整復後の固定肢位と固定期間の順守が再脱臼予防の要になる
比較表
分類関節の状態要因の例
外傷性脱臼正常過大な外力による関節包の断裂
拡張性脱臼(病的)関節液貯留で包が緩む関節リウマチなど非感染性の炎症
破壊性脱臼(病的)関節面が破壊化膿性・結核性関節炎
麻痺性脱臼(病的)支持筋が働かない弛緩性の麻痺
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