学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ30P069
理由で解く 柔道整復師

別冊No.1は足部の側面エックス線像で、距骨の下に大きく写っているのが踵骨である。高所から転落して踵から着地した際の軸圧で生じた踵骨骨折であり、踵骨は海綿骨に富んで血行に恵まれた骨なので、阻血性壊死は合併症として挙がらない。
踵骨骨折は高所から飛び降りて踵で着地したときの軸圧で生じる。側面像では踵部の扁平化と、ベーラー角(踵骨結節上縁・後距骨関節面・前方突起を結んでつくる角、正常はおよそ30〜35度)の減少を確認する。同じ軸圧は脊柱にも抜けるため、胸腰椎移行部の椎体圧迫骨折を同時に起こしていないか、背部の叩打痛や座位保持の可否を必ず確かめる。局所では踵骨外側壁が膨隆して腓骨筋腱を突き上げ、腓骨筋腱炎や腱の亜脱臼を招く。さらに強い腫脹と疼痛が長引くと、複合性局所疼痛症候群タイプI(旧称ズデック骨萎縮)へ移行することがある。一方、阻血性壊死が問題になるのは、関節軟骨に大きく覆われて栄養血管の入口が乏しい骨、すなわち距骨・手の舟状骨・月状骨・大腿骨頭などであり、踵骨はこれに当たらない。
| 骨 | 阻血性壊死の起こりやすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 距骨(頸部骨折) | 高い | 表面の大半が関節軟骨で、栄養血管の入口が限られる |
| 手の舟状骨(近位骨片) | 高い | 血流が遠位から近位へ流れ、骨折で近位が孤立する |
| 月状骨 | 高い | 血管の入り口が少なく、キーンベック病の原因となる |
| 大腿骨頭(頸部内側骨折) | 高い | 関節包内骨折で支帯動脈が断たれる |
| 踵骨 | 低い | 海綿骨が豊富で骨膜・骨内の血行に恵まれる |
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