学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §9 臨床実地問題 / QJ28P023
理由で解く 柔道整復師
すくみ足と突進現象が出てきた段階でも、動くことをやめないことが基本。立位・歩行訓練を主体としたリハビリテーションを継続する。
パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経が変性し、線条体のドパミンが不足することで、安静時振戦・筋強剛・無動(寡動)・姿勢反射障害の四徴を示す疾患である。本例の「歩き始めの一歩が出にくい(すくみ足)」「歩き出すと止まれない(突進現象)」は、無動(寡動)を背景とする歩行障害の典型例で、転倒の危険が高まっていることを示す所見である。ここに姿勢反射障害(pull test 陽性など)が加われば Hoehn-Yahr 重症度分類の III に相当する時期となる。この時期に安静を取らせると、筋力低下・関節拘縮・全身持久力の低下が加わり、疾患そのものの進行を上回る速さで動けなくなる悪循環に陥る。したがって薬物療法と並行して、立位・歩行を中心とした運動を継続することが治療の柱になる。すくみ足には、床に貼ったテープや目印をまたぐ視覚的手がかり、号令やメトロノーム・音楽に合わせて歩く聴覚的手がかりが有効で、歩幅を意識的に広げる練習と組み合わせる。あわせて方向転換や狭い場所の通過の練習、段差・敷物の除去や手すりの設置といった環境整備、家族への介助方法の指導を行い、転倒とその後の廃用を防ぐ。
| Hoehn-Yahr 重症度 | 主な所見 | 生活の自立度 |
|---|---|---|
| ステージ I | 一側性の症状のみ | 機能障害はないか軽微 |
| ステージ II | 両側性だが姿勢反射障害なし | 日常生活はほぼ自立 |
| ステージ III | 姿勢反射障害が出現(pull test 陽性など) | 活動制限はあるが介助なしで生活可能 |
| ステージ IV | 高度の機能障害。起立・歩行はかろうじて可能 | 日常生活に部分介助が必要 |
| ステージ V | 車椅子または臥床 | 全面的な介助が必要 |
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