学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §9 臨床実地問題 / QJ29P023
理由で解く 柔道整復師
上肢II・手指Iで右上肢が実用手まで回復する見込みは乏しく、一方で下肢IVなら歩行練習を進められる。この時点で行うべきは 4 の利き手交換の訓練である。
ブルンストロームステージは麻痺の回復段階を上肢・手指・下肢それぞれI〜VIで表し、Iは弛緩性、IIで連合反応や共同運動がわずかに出現し、IVで分離運動が現れ始める。発症から4週の時点で上肢II・手指Iにとどまる場合、右手が箸やペンを扱う実用手まで回復する可能性は低く、補助手としての位置づけを想定するのが現実的である。他方、下肢IVは座位で踵を床につけたまま膝を90度以上屈曲でき、足関節を背屈できる段階で、短下肢装具と杖を用いた歩行練習を十分進められる水準にあり、感覚障害も軽度で運動学習の妨げになりにくい。したがって、食事・書字・整容を非麻痺側の左手で行えるようにする利き手交換訓練を早期から開始し、並行して右上肢の関節可動域維持、肩関節亜脱臼と疼痛の予防、下肢の歩行練習を進めるのが妥当である。左中大脳動脈領域の梗塞では失語の合併も少なくないため、言語聴覚士と連携し、指示は短く具体的に、実演を交えて伝える工夫が有効になる。
| 部位・ステージ | 本例の段階の内容 | この時点で妥当な対応 |
|---|---|---|
| 上肢 II | 連合反応や共同運動がわずかに出現する段階 | 関節可動域の維持、肩関節亜脱臼・疼痛の予防、共同運動の促通 |
| 手指 I | 弛緩性で随意運動がない段階 | 把持動作は課題にせず可動域維持。実用動作は非麻痺側へ(利き手交換) |
| 下肢 IV | 座位で膝90度以上屈曲、踵接地のまま足関節背屈が可能 | 短下肢装具+杖での歩行練習を進める(長下肢装具は不要) |
| 感覚(表在・深部とも軽度障害) | 運動学習の大きな妨げにならない水準 | フィードバックを活用した動作練習が行いやすい |
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