学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ28P020

理由で解く 柔道整復師

QJ28P020 リハビリテーション医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問20
問題
ケーブルシステム及びハーネスを利用し把持動作を行う義手はどれか。
選択肢
1 装飾用義手
2 作業用義手
3 体内力源義手
4 体外力源義手
解答
正解3(体内力源義手)
解説

ハーネスで肩甲帯・上腕の動きを受け、ケーブルを介して手先具を開閉させる義手が体内力源義手(能動義手)である。

義手は目的と力源で分類する。装飾用義手は外観の回復が目的で、可動する機構をもたない。作業用義手は断端ソケットの先に作業具(フック、万力、皿型、工具ホルダーなど)を直接装着し、農作業や工具の保持といった力仕事に用いる。能動義手(体内力源義手)は、肩甲骨の外転・下制や上腕の屈曲といった装用者自身の身体運動をハーネス(背中や肩に回すベルト)で受け止め、コントロールケーブルを介して手先具(フックやハンド)の開閉、および肘継手の屈曲・ロックを操作する。力源が装用者自身の筋・関節運動であるため「体内力源」と呼ぶ。これに対し、バッテリーとモーターという身体の外にある力を用いるのが体外力源義手で、残存筋の表面筋電位を検出して制御する筋電義手が代表である。体内力源義手には、ケーブルの張力を通して把持力の手応えが伝わる(フィードバックが得られる)、比較的軽量で故障が少なく水濡れにも強い、という利点がある。

✓ 3. 正しい
体内力源義手
設問のとおり、ハーネスとケーブルシステムを介して装用者自身の身体運動を力源とし、手先具を開閉して把持動作を行う義手。能動義手とも呼ばれ、実用義手の中心的な選択肢である。
✗ 1. 誤り(把持動作を行う義手ではない)
装飾用義手
外観の補正を主目的とし、原則として能動的な把持機構をもたない。軽量で装着感がよく、物を軽く押さえる補助手としては役立つが、ケーブルによる操作は行わない。
✗ 2. 誤り(ケーブルで把持を行う義手ではない)
作業用義手
作業内容に応じた専用の作業具を先端に装着するもので、支える・押さえる・引っかけるといった作業に用いる。手先具を開閉して把持するための能動的な制御機構はもたない。
✗ 4. 誤り
体外力源義手
力源が身体の外(バッテリーとモーター)にある義手で、筋電義手が代表。制御は残存筋の筋電位などによって行われ、ハーネスとケーブルによる操作ではない。把持力は大きいが、重量・価格・メンテナンスの負担がある。
ポイント
  • 体内力源義手(能動義手)=ハーネス+コントロールケーブルで、自分の身体運動を手先具の開閉に変換する。
  • 体外力源義手=バッテリーとモーターが力源。代表が筋電位で制御する筋電義手。
  • 装飾用義手は外観重視で可動機構をもたない。
  • 作業用義手は先端に作業具を装着し、把持ではなく力仕事に用いる。
  • 能動義手はケーブル張力による把持力のフィードバックがあり、軽量・堅牢で故障が少ない。
比較表
種類力源操作方法主な目的
装飾用義手なし可動機構なし外観の回復、軽い支え
作業用義手なし(体幹・上肢の力)作業具を直接装着力仕事・特定作業
体内力源義手(能動義手)装用者自身の身体運動ハーネス+ケーブル把持・実用動作
体外力源義手(筋電義手など)バッテリー+モーター筋電位などで制御把持・巧緻動作
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