学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ28P018
理由で解く 柔道整復師
この設問は「温熱の作用として当てはまらないもの」を選ぶ問題です。温熱は血管を広げて血流を増やし、鎮痛・筋緊張の緩和・結合組織の伸びやすさをもたらしますが、全身が温まると心拍数は増えて心拍出量はむしろ増加します。したがって「心拍出量の低下」が答えです。
皮膚や深部組織が温められると、まず局所の血管が拡張して血流が増え、組織の代謝が亢進します。この血流増加が発痛物質や代謝産物を洗い流し、あわせて痛覚閾値が上がることで鎮痛が得られます。筋への効果もこの延長線上にあり、温熱によって筋紡錘からのIa求心性発火とγ運動ニューロンの活動が低下するため、筋痙縮(つっぱり)がやわらぎます。さらに膠原線維(コラーゲン)は温まると粘弾性が変化して伸びやすくなるので、ホットパックなどで温めた直後に持続的なストレッチを加えると、拘縮の改善に効率よくつながります。一方、全身が温まった場面を考えると話が変わります。体内の熱を体表から逃がすために末梢血管が大きく拡張し、末梢血管抵抗が下がり、これを補うように心拍数が増えるため、心拍出量は増加する方向へ動きます。つまり温熱は循環にとって「休ませる」刺激ではなく「働かせる」刺激です。心機能に不安のある人への全身温熱は負荷になりうると理解しておくと、この選択肢は迷わず切れます。
| 比較項目 | 温熱 | 寒冷 |
|---|---|---|
| 血管・血流 | 拡張し、血流は増加 | 収縮し、血流は減少 |
| 組織代謝 | 亢進 | 低下 |
| 痛み | 鎮痛(血流増加・閾値上昇) | 鎮痛(神経伝導速度の低下・閾値上昇) |
| 筋痙縮 | 緩和する | 持続的な冷却で一時的に緩和する |
| 膠原線維の伸展性 | 増す(ストレッチと相性がよい) | 低下し硬くなる |
| 心拍出量(全身作用) | 増加 | 末梢血管収縮により中心への還流が増え、血圧が上がりやすい |
| 主な適応 | 慢性期の疼痛、拘縮、筋緊張亢進 | 急性外傷・急性炎症(腫脹・出血の抑制) |
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