学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §19 肘関節後方脱臼の診察および整復 / QJ28A016

理由で解く 柔道整復師

QJ28A016 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問16
問題
肘関節後方脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 ヒューター三角は正常である。
2 肘関節は直角位に固定される。
3 前腕長は短縮して見える。
4 自動運動は可能である。
解答
正解3(前腕長は短縮して見える。)
解説

肘関節後方脱臼では尺骨が後上方へ転位するため、前腕が短く見える。正答は3。

肘関節後方脱臼は、肘を伸展位にして手をついた際に前腕が上腕に対して後方へずれるもので、肘関節脱臼の大多数を占める。肘頭が後方へ高く突出し、上腕骨遠位端は前方に触れる。前腕全体が近位へ移動するため、外見上は前腕が短く、上腕が相対的に長く見える。肘は30〜40度程度の軽度屈曲位で弾発性固定され、自動運動はできない。肘頭と内側・外側上顆でつくるヒューター三角も乱れるため、これが保たれる上腕骨顆上骨折との鑑別点になる。

✓ 3. 正しい
前腕長は短縮して見える。
尺骨(肘頭)が後上方へ転位して前腕全体が近位へ移動するため。上腕が相対的に長く見えるのも同じ理由による。
✗ 1. 誤り
ヒューター三角は正常である。
肘頭が後上方へ移動するため、肘頭と内側上顆・外側上顆の位置関係は乱れる。この乱れ自体が脱臼を示す所見となる。
✗ 2. 誤り
肘関節は直角位に固定される。
弾発性固定される肢位は30〜40度程度の軽度屈曲位であり、直角位ではない。
✗ 4. 誤り
自動運動は可能である。
弾発性固定のため自動運動はできず、他動的に動かそうとしてもばね様の抵抗があり元の肢位に戻る。
ポイント
  • 肘関節脱臼では後方脱臼が最多。肘伸展位で手をついて受傷する。
  • 外観 — 肘頭の後方突出、上腕骨遠位端の前方触知、前腕短縮、上腕の相対的延長。
  • 弾発性固定は30〜40度の軽度屈曲位。自動運動は不能。
  • ヒューター線・ヒューター三角は乱れる(上腕骨顆上骨折では保たれる)。
  • 合併症 — 尺骨神経・正中神経損傷、内側上顆骨折、鉤状突起骨折、骨化性筋炎。神経症状は整復前後に確認する。
比較表
所見肘関節後方脱臼上腕骨顆上骨折(伸展型)
ヒューター三角乱れる保たれる
固定肢位30〜40度屈曲位で弾発性固定弾発性固定はない
前腕長短縮して見える上腕長が短縮して見える
軋轢音なしあり
好発年齢青壮年に多い小児に多い
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