学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §10 上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位骨折の固定 / QJ28A007

理由で解く 柔道整復師

QJ28A007 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問7
問題
三角筋付着部より遠位での上腕骨骨幹部骨折で正しい固定肢位はどれか。
選択肢
1 肩関節外転 70度
2 肩関節水平屈曲 50度
3 肘関節屈曲 120度
4 前腕回外位
解答
正解1(肩関節外転 70度)
解説

三角筋付着部より遠位の骨幹部骨折では、近位骨片が三角筋に引かれて外転するため、これに合わせて肩関節を外転位で固定する。正答は1。

上腕骨骨幹部骨折の転位は、骨折線が三角筋付着部の近位にあるか遠位にあるかで様相が変わる。付着部より遠位で折れた場合、近位骨片は三角筋に引かれて外転位をとり、遠位骨片は上腕三頭筋・上腕二頭筋の作用で上方(近位)へ引き上げられて短縮する。固定は「動かせない近位骨片に遠位骨片を合わせる」のが原則なので、肩関節を外転位に保つ必要がある。具体的には肩関節をおよそ70〜80度外転、水平屈曲30〜40度程度、肘関節を約90度屈曲、前腕は中間位とするのが標準的な肢位とされる。

✓ 1. 正しい
肩関節外転 70度
三角筋に引かれて外転した近位骨片に遠位骨片を合わせるため、肩関節を70度前後の外転位に保つ。4肢のなかでこれだけが標準的な固定肢位に合致する。
✗ 2. 誤り
肩関節水平屈曲 50度
水平屈曲(前方への動き)はおよそ30〜40度にとどめるのが一般的で、50度は過剰。外転角度ほど大きく取る要素ではない。
✗ 3. 誤り
肘関節屈曲 120度
肘は約90度屈曲位が原則。深く曲げすぎると前腕の重みの作用方向が変わり、循環障害も起こしやすくなる。
✗ 4. 誤り
前腕回外位
前腕は中間位(母指が上を向く肢位)で固定する。回外位は骨軸の保持と日常動作の両面で不利になる。
ポイント
  • 三角筋付着部より近位の骨折 — 近位骨片は大胸筋などで内方へ、遠位骨片は三角筋で外上方へ転位する。
  • 三角筋付着部より遠位の骨折 — 近位骨片は三角筋で外転、遠位骨片は上方転位して短縮する。
  • 固定肢位は「近位骨片に遠位骨片を合わせる」原則で決める。
  • 遠位型ではおおむね肩外転70〜80度、水平屈曲30〜40度、肘屈曲90度、前腕中間位。
  • 中下1/3境界部の骨折では橈骨神経麻痺(下垂手・手背橈側の知覚障害)の有無を必ず確認する。
比較表
骨折部位近位骨片遠位骨片固定の考え方
三角筋付着部より近位大胸筋等により内方へ三角筋により外上方へ肩は内転寄りの肢位で合わせる
三角筋付着部より遠位三角筋により外転上腕三頭筋・二頭筋により上方転位・短縮肩を外転位(約70〜80度)にして合わせる
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