学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ27P108
理由で解く 柔道整復師
学童期の男児が膝から大腿部の痛みを訴え、跛行と股関節可動域制限、スカルパ三角の圧痛、パトリックテスト陽性を示す経過は、ペルテス病を最も強く疑わせます。膝の所見が乏しいのに膝痛を訴える点が診断のカギです。
ペルテス病は大腿骨頭骨端核の阻血性壊死で、5〜7歳前後を中心とした学童期の男児に多く発症します。股関節の痛みは閉鎖神経や大腿神経の関節枝を介して大腿内側から膝内側にかけて関連痛として出るため、「膝が痛い」という訴えで受診することが少なくありません(閉鎖神経の皮枝が分布するのは大腿内側下部から膝内側であり、大腿前面は大腿神経前皮枝の領域です)。膝関節そのものに腫脹・圧痛・不安定性がないのに膝痛が続く小児では、必ず股関節を診るという原則が本例にそのまま当てはまります。可動域については、ペルテス病では一般に股関節の外転制限と内旋制限が特徴とされます(本問では「外転・外旋に制限」と記載されており、外転制限が共通する所見です)。関節包の伸張や滑膜炎により可動域が制限され、パトリックテスト(股関節を屈曲・外転・外旋させる肢位)が陽性となります。数週から数か月にわたって跛行が続く緩徐な経過が典型で、対応としては荷重とスポーツをいったん中止し、単純X線などの画像評価のために速やかに整形外科へ紹介します。
| 疾患 | 好発年齢 | 背景・体型 | 経過 | 典型所見 |
|---|---|---|---|---|
| ペルテス病 | 5〜7歳中心(男児に多い) | 肥満は必須でない | 数週〜数か月と緩徐 | 大腿内側〜膝内側の関連痛、跛行、外転制限(内旋制限を伴うことが多い)、パトリック陽性 |
| 単純性股関節炎 | 3〜10歳 | 先行する上気道炎など | 数日〜2週で自然軽快 | 股関節痛と跛行、全身状態は良好 |
| 大腿骨頭すべり症 | 10〜16歳 | 肥満体型が多い | 急性〜慢性 | 股関節屈曲時の外旋、内旋制限 |
| 鼠径部痛症候群 | 思春期以降の競技者 | キック・ダッシュの反復 | 慢性・反復性 | 恥骨結合周囲や内転筋起始部の痛み |
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