学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ27P109
理由で解く 柔道整復師
中年女性、短期間での体重増加、内果後方から遠位にかけての圧痛、踵部の外反位、つま先立ちが困難という所見の組み合わせは、後脛骨筋腱の障害(後脛骨筋腱炎・後脛骨筋腱機能不全)を強く示す。
後脛骨筋腱は内果の後方を回り込み、舟状骨を中心に足底へ広く停止して内側縦アーチを下から吊り上げている。この腱に炎症や変性が起こると、内果後方から舟状骨にかけて腱の走行に一致した圧痛が生じ、同時にアーチを保持する働きが落ちて扁平足化し、後足部は外反位をとる(後方から見ると足趾が外側に多く見えるtoo many toes signが現れる)。つま先立ちでは、まず後脛骨筋が踵骨を内反させて足部を固い梃子に変えてから踵が持ち上がるので、機能が低下すると片脚つま先立ちができない(heel rise test)。中年以降の女性、肥満・急な体重増加、扁平足、糖尿病や関節リウマチが代表的な危険因子で、本症例は介護に伴う生活変化と10kgの体重増加という背景がそろっている。対応は内側縦アーチを支えるインソール、後脛骨筋の求心性・遠心性トレーニング、荷重量と体重の管理を組み合わせる。進行すると足部の変形が固定して可逆性を失うため、早い段階で医師と連携し、必要に応じて画像評価を受けられるようにする。
| 疾患 | 圧痛の部位 | 足部の変形 | 主な誘因 | 特徴的所見 |
|---|---|---|---|---|
| 後脛骨筋腱炎 | 内果後方から舟状骨へ(腱の走行に一致) | 後足部外反・扁平足 | 肥満・体重増加、中年女性 | 片脚つま先立ち困難、too many toes sign |
| 内果疲労骨折 | 内果に限局 | なし | 走行・ジャンプの反復 | 叩打痛、スポーツ活動歴 |
| シンスプリント | 脛骨内側の中下1/3に広く | なし(扁平足が素因になることはある) | 走行距離の急増 | 運動開始時痛、広範な圧痛 |
| 変形性足関節症 | 距腿関節裂隙に沿って | 内反変形が多い | 加齢、外傷の既往 | 荷重時痛、可動域制限 |
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