学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ27P110
理由で解く 柔道整復師
ストックのストラップに母指が引っ掛かって受傷したという機転は、母指が橈側へ強制的に外転され、MP関節の尺側側副靱帯が損傷したこと(いわゆるスキーヤー母指)を示します。この靱帯は側方つまみの支点となるため、「鍵を回す」動作が最も困難になります。
ストラップに母指が引っ掛かったまま転倒すると、母指MP関節に大きな橈側外転(過外転)の力が加わり、これを制動している尺側側副靱帯が損傷します。断裂端が母指内転筋腱膜の上に翻転して挟まるステナー病変になると自然治癒が期待しにくく、不安定性が残ります。尺側側副靱帯は、母指を示指の橈側に押しつけてつまむ動作で母指が橈側に逃げないよう支える役割を担っているため、損傷するとつまみ力が発揮できず疼痛も強く出ます。処置としてはMP関節を軽度屈曲位でサムスパイカ型に固定して外転ストレスを避け、不安定性が大きい場合は手術適応の判断のため速やかに整形外科へ紹介します。
| 動作 | 母指の使い方 | MP関節尺側側副靱帯へのストレス |
|---|---|---|
| 鍵を回す | 側方つまみ(キーピンチ)+回旋トルク | 大 |
| 瓶の蓋を開ける | 手掌全体での把持+前腕回旋 | 中 |
| ボールを握る | 握力把持(パワーグリップ、母指は内転方向) | 小〜中 |
| キーボードを叩く | 手指の軽い屈伸 | ほぼなし |
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