学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §9 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復 / QJ27A026

理由で解く 柔道整復師

QJ27A026 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問26
問題
上腕骨外科頸骨折の初検時にみられないのはどれか。
選択肢
1 三角筋部の膨隆が消失している。
2 烏口突起下に膨隆がみられる。
3 骨折部で上腕骨軸が前方凸に屈曲している。
4 肩関節外転運動が制限されている。
解答
正解1(三角筋部の膨隆が消失している。)
解説

三角筋部の膨隆が消失するのは肩関節前方脱臼の所見です。上腕骨外科頸骨折では骨頭が関節窩に残るため肩の丸みは保たれ、この所見はみられません。

上腕骨外科頸骨折は骨頭のすぐ遠位で起こる骨折で、高齢者が手や肘をついて受傷することが多い骨折です。頻度の高い外転型では、遠位骨片が前内方に転位し、骨折部は前内方凸(前方凸)に屈曲、烏口突起の下方に骨折端の膨隆を触れます。ここで最重要なのは肩の輪郭で、骨頭は関節窩内にとどまるため三角筋の膨隆は保たれ、肩峰下に骨頭を触れます。対して肩関節前方(烏口下)脱臼では骨頭が関節窩から抜けるため三角筋部が平坦化し、肩峰が角状に突出し、他動運動で弾発性固定を示します。外科頸骨折では疼痛・腫脹と外転運動の制限がみられ、皮下出血斑は受傷直後ではなく数日かけて上腕内側から前胸部へ下降して現れます。「初検時の肩の丸みが残っているか」を鑑別の入口にすると整理しやすくなります。

✓ 1. みられない(=正答)
三角筋部の膨隆が消失している。
これは肩関節前方脱臼の所見です。外科頸骨折では骨頭が関節窩に残るため、三角筋の膨隆=肩の丸みは保たれます。肩の輪郭が保たれているかどうかが、骨折と脱臼を分ける最初の手がかりになります。
✗ 2. みられる(=答えではない)
烏口突起下に膨隆がみられる。
外転型では遠位骨片が前内方へ転位するため、烏口突起の下方に骨折端による膨隆を触れます。脱臼で烏口下に触れるのは骨頭であり、触れているものが違う点も押さえておきます。
✗ 3. みられる(=答えではない)
骨折部で上腕骨軸が前方凸に屈曲している。
外転型では骨折部で前内方凸の屈曲変形を示します。骨の連続性が絶たれ、その部位で軸が折れ曲がるのは骨折に特有の所見です。
✗ 4. みられる(=答えではない)
肩関節外転運動が制限されている。
疼痛と骨折部の不安定性により、自動外転はほとんど不能となります。ただし脱臼のような弾発性固定はなく、他動運動は(強い痛みを伴いますが)可能である点が異なります。
ポイント
  • 外科頸骨折は骨頭直下の骨折。骨頭は関節窩に残るので三角筋の膨隆は保たれる
  • 三角筋部の膨隆消失・肩峰の角状突出・弾発性固定は肩関節前方脱臼の所見。
  • 外転型(頻度が高い)は遠位骨片が前内方転位、骨折部は前内方凸、烏口突起下に骨折端の膨隆。
  • 自動外転は不能でも他動運動は可能(脱臼の弾発性固定と区別)。
  • 皮下出血斑は初検時ではなく数日後に上腕内側〜前胸部へ下降して出現する。
比較表
所見上腕骨外科頸骨折(外転型)肩関節前方(烏口下)脱臼
三角筋部の膨隆保たれる消失(平坦化)
肩峰通常の輪郭角状に突出
烏口突起下に触れるもの骨折端の膨隆脱臼した骨頭
骨頭の位置関節窩内(肩峰下に触知)関節窩外(烏口下)
他動運動可能(強い疼痛を伴う)弾発性固定
上腕軸骨折部で屈曲変形骨全体が偏位、軽度外転位
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