学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §9 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復 / QJ26A022

理由で解く 柔道整復師

QJ26A022 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問22
問題
上腕骨外科頸外転型骨折の変形はどれか。
選択肢
1 前内方凸
2 前外方凸
3 後内方凸
4 後外方凸
解答
正解1(前内方凸)
解説

上腕骨外科頸外転型骨折では遠位骨片が外転位をとり、骨折部は前内方に凸となる。正答は1。

外科頸は解剖頸のすぐ遠位、大結節・小結節より下でくびれた部分にあたり、海綿骨から皮質骨へ移行する力学的な弱点である。高齢者が転倒して手や肘をつき、肩に外転が強制されれば外転型、内転が強制されれば内転型となる。外転型では遠位骨片が外転して近位骨片(骨頭)の内側へ入り込み、同時に前方へ屈曲するため、両骨片がなす角の頂点=骨折部は前内方を向く。骨頭は相対的に内転位をとり、上腕軸は外転位を示す。内転型はこの鏡像で、骨折部は前外方凸となる。「遠位骨片が外転すれば骨折部は内側へ突き出る」と方向のセットで覚えると、変形を丸暗記せずに導ける。

✓ 1. 正しい
前内方凸
外転型では遠位骨片が外転・前内方へ転位し、近位骨片は内転位をとるため、骨折部は前内方に突出する。上腕軸は外転位となり、腋窩から骨折部を触れやすい。
✗ 2. 誤り
前外方凸
これは内転型骨折の変形。遠位骨片が内転して外側へ角状に突出するため、骨折部は前外方凸となり上腕軸は内転位を示す。
✗ 3. 誤り
後内方凸
外科頸骨折では遠位骨片が前方へ屈曲転位するため、骨折部の凸は前方成分を持つ。後方凸は外転型・内転型のいずれの典型変形にも当てはまらない。
✗ 4. 誤り
後外方凸
方向が前後・内外ともに外転型の変形と一致しない。後方凸である点で外科頸骨折の基本の転位形と合わず、外方凸である点で外転型ではなく内転型側の要素になる。
ポイント
  • 外科頸=大結節・小結節より遠位のくびれ。高齢者の転倒で好発する。
  • 外転型:遠位骨片が外転し、骨折部は前内方凸、上腕軸は外転位。
  • 内転型:遠位骨片が内転し、骨折部は前外方凸、上腕軸は内転位。
  • 外転型は遠位骨片が近位骨片に嵌入することがあり、この場合は転位が少なく無理な整復操作を避ける。
  • 腋窩神経(三角筋の収縮・上腕外側の知覚)と腋窩動脈の状態を、整復や固定の前後で必ず確認する。
比較表
項目外転型内転型
発生機序肩の外転が強制される肩の内転が強制される
遠位骨片外転し前内方へ(嵌入することあり)内転し前外方へ
骨折部の変形前内方凸前外方凸
上腕軸外転位内転位
頻度多い少ない
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。