学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §11 コーレス(Colles)骨折の診察および整復 / QJ27A027
理由で解く 柔道整復師
コーレス骨折では手指は疼痛のため軽度屈曲位をとります。中手指節(MP)関節の過伸展位はこの骨折の外観ではありません。
コーレス骨折は遠位骨片が背側・橈側へ転位し、短縮を伴います。側面から見ると手関節部に段差ができ、食器のフォークを伏せたような輪郭になります(フォーク状変形)。正面から見ると橈側転位のために尺骨頭が相対的に背尺側へ突出し、銃剣状変形と表現されます。背側転位と短縮により手関節部の前後径、すなわち「厚さ」も増します。一方で手指は握らず開かず、痛みの少ない自然な軽度屈曲位で保持されるのが普通です。MP関節が過伸展し、かつ指節間(IP)関節が屈曲する「内在筋マイナス肢位」をとるのは鷲手(尺骨神経麻痺による骨間筋・虫様筋の麻痺)であって、骨折の外観ではありません。ここで橈骨神経麻痺の下垂手と混同しないでください。下垂手では総指伸筋が麻痺してMP関節を伸展できず、MP関節はむしろ屈曲(下垂)位となり、過伸展とは方向が正反対です。腫脹が強いと手指を動かさなくなり、拘縮やズデック骨萎縮につながるため、初検時から手指と肩の自動運動を具体的に指導しておくことが大切です。
| 項目 | コーレス骨折 | スミス骨折 |
|---|---|---|
| 遠位骨片の転位方向 | 背側・橈側・短縮 | 掌側・短縮 |
| 側面の外観 | フォーク状変形 | 逆フォーク状(背側に凹む) |
| 正面の外観 | 銃剣状変形(尺骨頭が突出) | 手部が掌側へずれる |
| 厚さ(前後径) | 増大 | 増大 |
| 手指の肢位 | 疼痛による軽度屈曲位 | 疼痛による軽度屈曲位 |
※参考(MP関節の肢位で紛らわしい麻痺手):鷲手=尺骨神経麻痺で骨間筋・虫様筋が麻痺し、MP関節過伸展+IP関節屈曲。下垂手=橈骨神経麻痺で総指伸筋が麻痺し、MP関節を伸展できず屈曲(下垂)位。MP関節の向きが正反対である点が鑑別の要。
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