学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ27A024

理由で解く 柔道整復師

QJ27A024 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問24
問題
顎関節前方脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 男子に多く発生する。
2 関節包が断裂する。
3 下顎歯列は上顎歯列の後方に転位する。
4 片側脱臼はオトガイが健側に偏位する。
解答
正解4(片側脱臼はオトガイが健側に偏位する。)
解説

片側性の顎関節前方脱臼では、患側の下顎頭だけが前方へ滑り出すため、オトガイ(下あごの先端)は健側へ偏位します。

顎関節前方脱臼は、あくび・大笑い・歯科治療・嘔吐などの大開口をきっかけに、下顎頭が関節結節を越えて前方に移動し、外側翼突筋や咬筋の緊張で自力では戻れなくなった状態です。関節包は伸びるだけで断裂しないのが特徴で、これが反復性脱臼をきたしやすい理由になっています。両側脱臼では口が開いたまま閉じられず、下顎が前方に突出し、流涎(よだれ)や言語障害を伴います。片側脱臼では患側の下顎頭だけが前へ出るので、下顎正中=オトガイは健側へずれ、患側の耳の前(下顎頭のあった位置)に陥凹を触れます。整復は下顎を下方へ引き下げてから後方へ導きますが、施術者の母指は保護し、整復後は大開口を避けるよう患者に説明することが再脱臼の予防になります。

✓ 4. 正しい
片側脱臼はオトガイが健側に偏位する。
患側の下顎頭が前方へ移動する分だけ、下顎全体が患側で前に押し出される形になり、下顎正中(オトガイ)は健側へずれます。左右差の向きは「出た側と反対へ顎先が向く」と理解すると迷いません。
✗ 1. 誤り
男子に多く発生する。
顎関節前方脱臼は女性に多く発生します。関節結節の傾斜や靭帯・関節包の強度など、解剖学的条件の差が関与すると説明されます。
✗ 2. 誤り
関節包が断裂する。
顎関節前方脱臼では関節包は伸張されますが断裂しません。関節包が保たれることは、他関節の脱臼と異なる大きな特徴であり、反復しやすい背景でもあります。
✗ 3. 誤り
下顎歯列は上顎歯列の後方に転位する。
下顎が前方へ出る脱臼ですから、下顎歯列は上顎歯列より前方に位置します(下顎前突を呈する開口位)。転位方向が逆になっています。
ポイント
  • 大開口が誘因。下顎頭が関節結節を越えて前方へ移動し、外側翼突筋・咬筋の緊張で自然整復されない。
  • 関節包は断裂しない(他関節の脱臼との大きな違い)。だから反復しやすい。
  • 両側脱臼:閉口不能、下顎前突、流涎、言語障害。
  • 片側脱臼:オトガイは健側へ偏位し、患側耳前部に陥凹を触れる。
  • 女性に多い。整復後は大開口を避けるよう説明し、再脱臼を防ぐ。
比較表
所見両側前方脱臼片側前方脱臼
口の状態開口したまま閉じられない開口位で閉口困難
オトガイ(下顎正中)正中のまま前方へ突出健側へ偏位
歯列の関係下顎歯列が上顎歯列より前方患側で前方へずれる
耳前部の触診両側に陥凹患側に陥凹
随伴症状流涎・言語障害が目立つ左右非対称な顔貌が目立つ
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