学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ27A023

理由で解く 柔道整復師

QJ27A023 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問23
問題
外傷性脱臼に合併する軟部組織損傷で最も多いのはどれか。
選択肢
1 筋損傷
2 関節包損傷
3 神経損傷
4 血管損傷
解答
正解2(関節包損傷)
解説

外傷性脱臼は骨頭が関節包を破って(あるいは著しく引き伸ばして)関節外へ出る損傷なので、関節包損傷がほぼ必発で最も高頻度です。

外傷性脱臼の定義そのものが「関節面が正常な位置関係を失い、関節包・靭帯の損傷を伴う状態」です。骨頭が本来の位置から抜け出るには関節包という袋を通過しなければならず、関節包と関節包靭帯の損傷は構造上避けられません。一方、筋・腱、神経、血管の損傷は「起こりうるが必発ではない」ものです。頻度は低くても神経・血管損傷は予後を大きく左右するため、初検では必ず末梢の循環(皮膚色・冷感・脈拍)と知覚・運動を確認し、異常があれば速やかに医師の診察につなぐという手順を徹底してください。なお顎関節前方脱臼は関節包が断裂しない例外として有名で、これが反復しやすい理由にもなっています。

✓ 2. 正しい
関節包損傷
骨頭が関節外へ移動する以上、関節包の破綻(断裂または著明な伸張)は構造上ほぼ必発です。脱臼の定義に組み込まれている損傷であり、最も頻度が高くなります。
✗ 1. 誤り
筋損傷
周囲筋の挫傷や腱の断裂を合併することはあり、高齢者の肩関節脱臼に腱板断裂を伴う例などが知られますが、すべての脱臼に必ず起こるものではありません。
✗ 3. 誤り
神経損傷
肩関節脱臼の腋窩神経、肘関節脱臼の尺骨神経などが代表例ですが、合併頻度は関節包損傷に比べ格段に低いものです。ただし見逃すと機能予後に直結するため、知覚・運動の確認は必ず行います。
✗ 4. 誤り
血管損傷
膝関節脱臼に伴う膝窩動脈損傷などがありますが、頻度としては最もまれです。まれでも重篤なので、末梢の脈拍・冷感・蒼白があれば緊急対応が必要という位置づけで覚えます。
ポイント
  • 脱臼の定義に「関節包・靭帯の損傷を伴う」が含まれる。関節包損傷はほぼ必発=最多。
  • 筋・腱、神経、血管の損傷は「合併しうる」もので必発ではない。
  • 神経損傷の代表:肩関節脱臼=腋窩神経、肘関節脱臼=尺骨神経。
  • 血管損傷はまれだが重篤(膝関節脱臼=膝窩動脈)。初検で末梢循環・知覚・運動を必ず確認する。
  • バンカート損傷は関節唇(軟部組織)の剥離、ヒル・サックス損傷は上腕骨頭後外側の陥凹骨折(骨損傷)。セットで語られるが分類は別物なので混同しない。
  • 例外として顎関節前方脱臼は関節包が断裂しない。反復性脱臼になりやすい理由でもある。
比較表
損傷される軟部組織合併頻度代表例
関節包・関節包靭帯ほぼ必発(最多)すべての外傷性脱臼
関節唇(線維軟骨)しばしば肩関節前方脱臼のバンカート損傷(前下方関節唇の剥離)
筋・腱しばしば高齢者の肩関節脱臼に伴う腱板断裂
神経ときに肩=腋窩神経、肘=尺骨神経
血管まれだが重篤膝関節脱臼=膝窩動脈

※本問は「軟部組織損傷」を問うているため、上表は軟部組織に限定しています。ヒル・サックス損傷は上腕骨頭後外側にできる陥凹骨折であり、関節唇でも関節窩縁でもない骨損傷です。バンカート損傷と対で語られますが、分類上は別枠として整理してください。

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