学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ27A022

理由で解く 柔道整復師

QJ27A022 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問22
問題
骨折の合併症で正しいのはどれか。
選択肢
1 フォルクマン(Volkmann)拘縮は上腕骨骨幹部骨折で多くみられる。
2 過剰仮骨は血腫の分散および流出が原因である。
3 外傷性骨化性筋炎はスミス (Smith)骨折で多くみられる。
4 ズデック (Sudeck)骨萎縮はコーレス (Colles)骨折でみられる。
解答
正解4(ズデック (Sudeck)骨萎縮はコーレス (Colles)骨折でみられる。)
解説

ズデック(Sudeck)骨萎縮は、コーレス骨折(橈骨遠位端骨折)後にみられる代表的な合併症です。したがって選択肢4が正しい記述です。

骨折の合併症は「どの骨折の後に起こりやすいか」を必ずセットで覚えると、選択肢のすり替えに惑わされません。ズデック骨萎縮は、骨折後の疼痛を引き金に交感神経反射が過剰となり、手の腫脹・発赤・熱感・不釣り合いに強い疼痛と関節拘縮を生じ、X線ではびまん性・斑状の骨萎縮像を示します。現在は複合性局所疼痛症候群(CRPS)typeIに含まれる病態として理解されています。橈骨遠位端骨折後に多く、固定中から手指・肩の自動運動を続け、浮腫を残さないことが最大の予防策です。「痛いから動かさない → さらに腫れて痛む」という悪循環を、初検時の指導で断ち切ってください。

✓ 4. 正しい
ズデック (Sudeck)骨萎縮はコーレス (Colles)骨折でみられる。
橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)後に生じやすい典型的な合併症です。腫脹・熱感・強い疼痛・関節拘縮とX線上の斑状骨萎縮が特徴で、手指の自動運動と浮腫管理が予防と治療の柱になります。
✗ 1. 誤り
フォルクマン(Volkmann)拘縮は上腕骨骨幹部骨折で多くみられる。
フォルクマン拘縮が多いのは小児の上腕骨顆上骨折(伸展型)です。近位骨片が前方の上腕動脈・正中神経を圧迫し、前腕屈筋群のコンパートメント内圧上昇と虚血から筋壊死・拘縮に至ります。骨幹部骨折で問題になるのは主に橈骨神経麻痺です。
✗ 2. 誤り
過剰仮骨は血腫の分散および流出が原因である。
血腫の分散・流出は仮骨形成の材料が失われる方向に働くため、むしろ遷延治癒・偽関節の要因です。過剰仮骨は、血腫が大きい場合や、整復・固定が不十分で骨折端の動揺が続く場合に形成されます。原因と結果が入れ替わった記述です。
✗ 3. 誤り
外傷性骨化性筋炎はスミス (Smith)骨折で多くみられる。
外傷性骨化性筋炎が多いのは肘関節周辺、とくに肘関節脱臼や上腕骨顆上骨折の後で、上腕筋部に発生します。スミス骨折は手関節部の骨折であり、この合併症の好発部位ではありません。
ポイント
  • ズデック骨萎縮=橈骨遠位端(コーレス)骨折後に多い。腫脹・熱感・強い疼痛・拘縮+斑状骨萎縮。
  • フォルクマン拘縮=小児の上腕骨顆上骨折(伸展型)。前腕コンパートメント+上腕動脈の虚血。
  • 外傷性骨化性筋炎=肘関節脱臼・上腕骨顆上骨折後、上腕筋部に発生。
  • 過剰仮骨は「血腫が大きい・固定が不十分で動揺する」とき。血腫の流出は逆に遷延治癒・偽関節側。
  • 合併症は病名単独ではなく「好発する骨折名」とペアで記憶する。
比較表
合併症起こりやすい損傷キーとなる機序・所見
フォルクマン拘縮小児の上腕骨顆上骨折(伸展型)上腕動脈の循環障害+前腕コンパートメント内圧上昇
外傷性骨化性筋炎肘関節脱臼、上腕骨顆上骨折上腕筋部の血腫+反復する機械的刺激
ズデック骨萎縮(CRPS typeI)コーレス骨折(橈骨遠位端骨折)腫脹・熱感・強い疼痛・拘縮、斑状骨萎縮
過剰仮骨形成固定不良・骨折端の動揺、血腫が大きい例仮骨が過剰に膨隆、周囲組織を圧迫することも
遷延治癒・偽関節血腫の流出・分散、血行不良部位(舟状骨、大腿骨頸部内側など)仮骨形成の材料と血行が不足
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