学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ26P104
理由で解く 柔道整復師
手掌尺側の有鈎骨鉤骨折によりギヨン管で尺骨神経が障害され、母指内転筋が働かなくなるため、母指の内転が制限される。
バットやゴルフクラブのグリップが強く当たるのは手掌の尺側、遠位手根骨列にある有鈎骨鉤の部位である。ここに繰り返し、あるいは強い衝撃が加わると有鈎骨鉤が骨折する。有鈎骨鉤はギヨン管(尺骨神経管)の橈側壁を構成するため、骨折や周囲の血腫によって管内の尺骨神経が圧迫され、小指と環指尺側のしびれが早期から出現する。尺骨神経深枝は母指内転筋、骨間筋、第3・4虫様筋、小指球筋を支配するので、麻痺すると母指を示指側へ引き寄せる内転の力が落ちる。紙を母指と示指でつまませると、母指内転筋が使えないため長母指屈筋で代償し母指IP関節が屈曲する(フローマン徴候陽性)。有鈎骨鉤骨折は通常の正面像では骨折線が見えにくく、手根管軸位撮影やCTが必要になるため、この病歴と圧痛部位から疑ったら医療機関での精査につなぐことが大切である。
| 母指の運動 | 主な筋 | 支配神経 |
|---|---|---|
| 屈曲 | 長母指屈筋、短母指屈筋(浅頭) | 正中神経(前骨間神経) |
| 伸展 | 長母指伸筋、短母指伸筋 | 橈骨神経 |
| 内転 | 母指内転筋 | 尺骨神経(深枝) |
| 外転 | 短母指外転筋/長母指外転筋 | 正中神経/橈骨神経 |
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