学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ26P105
理由で解く 柔道整復師
足関節を強く伸展(背屈)した状態で着地し、母趾が足底側に屈曲位をとっているという所見から、距骨(頸部)骨折が考えられる。
足関節が強く伸展(背屈)されると、距骨頸部が脛骨関節面の前縁に押しつけられて折れる。これが距骨頸部骨折の典型的な機序で、高所からの落下や着地時の衝撃で起こる。ここで診断の決め手になるのが母趾の肢位である。長母趾屈筋腱は距骨後突起の内側結節と外側結節の間の溝を通って足底へ向かうため、距骨の骨折によってこの部で腱が緊張・絞扼されると、母趾が足底側に屈曲したまま固定される。設問の「母趾が直角に足底側に屈曲している」はこの状態を示している。距骨は表面の大部分が関節軟骨に覆われ栄養血管の入り口が限られるため、転位が大きいと阻血性壊死や偽関節を来しやすく、予後を左右する。壊死に陥る部位に注意したい。距骨体部は足根管動脈やその三角骨枝が距骨頸部の下面から入って栄養されるため、頸部骨折ではこの流入路が絶たれ、骨折線より近位の距骨体部が壊死する(骨頭は足背動脈からの分枝で栄養され、頸部骨折で壊死する部位ではない)。転位の程度から体部壊死のリスクを推定するのがハウキンス(Hawkins)分類である。腫脹・限局性圧痛・伸展時痛に加えて歩行不能があることからも重い損傷であり、患部を安静な肢位で固定したうえで、速やかに医療機関での画像評価につなぐ。
| 骨折 | 典型的な受傷機序 | 特徴的所見 |
|---|---|---|
| 距骨(頸部)骨折 | 足関節の過度の伸展(背屈)強制 | 母趾の屈曲位固定、伸展時痛、距骨体部の阻血性壊死のリスク |
| 踵骨骨折 | 高所からの転落による軸圧 | 踵部の腫脹・皮下出血、ベーラー角減少 |
| 舟状骨骨折 | 直達外力、後脛骨筋の牽引、疲労骨折 | 足背内側の限局性圧痛 |
| 立方骨骨折 | 前足部の強い外転(くるみ割り) | 足外側部の圧痛 |
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