学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ26P102
理由で解く 柔道整復師

手掌を衝いて受傷し、やや外転位での弾発性固定・三角筋部の膨隆消失・モーレンハイム窩の消失がそろえば、肩関節前方(烏口下)脱臼である。本問では整復後の固定肢位として肩関節外転外旋位が正しいとされている。
肩関節前方脱臼そのものに対する整復後の固定は、脱臼を再現する外転・外旋を避ける肢位、すなわち下垂・内転内旋位が基本である。それにもかかわらず外転外旋位が固定肢位となるのは、大結節骨折の合併が示唆される場合である。大結節骨片は棘上筋・棘下筋に牽引されて上方・後方へ転位するため、これらの筋が弛緩する外転・外旋位に保つことで骨片が整復位に落ち着く。本症例(54歳の女性、整復前後の単純エックス線写真が提示されている)も、外転外旋位が固定肢位とされていることからこの状況と考えられる。中高年の肩関節脱臼では大結節骨折や腱板の損傷を合併する頻度が高いので、整復前後のエックス線では脱臼の方向だけでなく骨折合併の有無も併せて確認するのが原則である。整復後も三角筋部の感覚(腋窩神経)と末梢循環を確認し、骨折合併例は医師の管理下で経過をみる。
| 脱臼のみ(合併損傷なし) | 大結節骨折を合併 | |
|---|---|---|
| 固定肢位 | 下垂・内転内旋位 | 外転・外旋位 |
| 理由 | 脱臼を再現する外転外旋を避ける | 骨片を引く棘上筋・棘下筋を弛緩させる |
| 用いる固定具 | 三角巾+バストバンド | 外転枕・外転装具など |
| 注意点 | 再脱臼(若年ほど反復しやすい) | 骨片の再転位、腱板機能の回復 |
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