学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ26P101
理由で解く 柔道整復師
ラックマンテストで制動端(エンドポイント)が保たれているのにもかかわらず、膝90度屈曲位で脛骨が「引くと出て、押すと戻る」。これは後方に落ち込んだ脛骨を引き戻している所見で、後十字靱帯損傷を示す。
2か月前に膝を打って脛骨粗面部に発赤と腫脹が出ているという経過は、膝屈曲位で脛骨近位部が前方から後方へ押し込まれた受傷機転を示唆し、後十字靱帯(PCL)損傷の典型である。PCLが損傷されると、膝90度屈曲位で脛骨が重力により後方へ落ち込む(サギング)。この状態で前方引き出しテストを行うと、落ち込んだ脛骨が本来の位置へ戻るだけなのに「前へ引き出せる」と感じられ、前十字靱帯(ACL)損傷と取り違えられやすい(偽陽性の前方引き出し)。ACLが健常であればラックマンテストの終末感は硬く、エンドポイントを触知できる点が決め手になる。PCL損傷は急性期を過ぎると症状が軽くなり、あとから運動時痛や膝窩部の違和感、階段降段時の不安定感として現れることが多いため、本例のような遅発の受診となる。損傷程度の判定と治療方針の決定には画像検査が必要なので、医師の診察につなぐ。
| 前十字靱帯(ACL)損傷 | 後十字靱帯(PCL)損傷 | |
|---|---|---|
| 受傷機転 | 非接触の急停止・方向転換・着地 | 屈曲位で脛骨近位部を前方から打つ |
| ラックマンテスト | 前方移動増大、エンドポイント消失 | エンドポイントは保たれる |
| 90度屈曲位 | 前方引き出し陽性(真の前方動揺) | 脛骨が後方へ落ち込む(サギング)。後方へ落ち込んだ脛骨が、引くと本来の位置に戻る=術者には前方引き出し陽性と感じられる(偽陽性)/押すと再び後方へ落ちる |
| 特徴的所見 | 受傷時の断裂音、著明な関節血腫、Nテスト | サギングサイン、後方引き出しテスト |
| 経過 | 膝崩れ(giving way)が続く | 症状が軽く、遅れて受診しやすい |
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