学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ26P099

理由で解く 柔道整復師

QJ26P099 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問99
問題
膝関節内反動揺検査で正しいのはどれか。
選択肢
1 内側側副靱帯損傷の重症度を判定する。
2 患側から先に検査を行い健側と比較する。
3 大腿四頭筋を収縮させて行うと検査が容易である。
4 30度屈曲位で動揺がなければ伸展位の検査は必要ない。
解答
正解4(30度屈曲位で動揺がなければ伸展位の検査は必要ない。)
解説

膝関節内反動揺検査(内反ストレステスト)は外側側副靱帯を中心とした外側支持機構の損傷を評価する検査で、屈曲30度で動揺がなければ、より安定する伸展位で動揺が出ることはないため、伸展位の検査は省ける。

膝の側方動揺検査は肢位によって緊張する組織が変わる。屈曲30度では後方関節包と十字靱帯がゆるみ、側副靱帯だけが主に緊張するため、側副靱帯単独損傷を最も鋭敏に拾える。一方、完全伸展位では側副靱帯に加えて後方関節包と十字靱帯が緊張して膝は最も安定するので、ここで動揺が出るのは側副靱帯だけでなく十字靱帯や後方関節包まで破綻した重度損傷を意味する。つまり伸展位の検査は「重症度の上乗せ判定」であり、30度で動揺が出て初めて意味をもつ。検査の実際では、患者を十分に脱力させ、健側から先に行って正常な動揺量と本人の緊張の程度を把握してから患側に移り、動揺の大きさとエンドポイント(終末感)の質を左右で比べる。動揺が明らかな場合や骨折を否定できない場合は、画像評価のため医師へ紹介する。

✓ 4. 正しい
30度屈曲位で動揺がなければ伸展位の検査は必要ない。
屈曲30度は側副靱帯の損傷を最も拾いやすい肢位で、伸展位はそれより安定する。したがって30度で動揺が出なければ伸展位でも動揺は現れず、伸展位の検査は省略できる。逆に30度で陽性なら、重症度判定のため伸展位でも確認する。
✗ 1. 誤り
内側側副靱帯損傷の重症度を判定する。
内反(内転)ストレスで緊張するのは外側の支持機構であり、この検査が評価するのは外側側副靱帯を中心とした後外側支持機構である。内側側副靱帯を評価するのは外反(外転)動揺検査で、ストレスの向きと緊張する側は逆になる。
✗ 2. 誤り
患側から先に検査を行い健側と比較する。
順序が逆で、健側から先に行う。健側で正常な動揺量とエンドポイントを確認しておくことで比較の基準ができ、患者の不安と防御性収縮も和らぐ。痛みのある側を先に触ると緊張が高まり、動揺が過小評価される。
✗ 3. 誤り
大腿四頭筋を収縮させて行うと検査が容易である。
筋が収縮すると関節が動的に固定され、本来生じるはずの動揺が隠れて偽陰性になる。声かけや肢位の工夫で十分に脱力させ、ゆっくりとストレスをかけて評価する。痛みが強く脱力が得られない場合は無理に反復せず、後日改めて評価するか医師の画像評価につなぐ。
ポイント
  • 内反動揺検査=外側側副靱帯・後外側支持機構の評価。外反動揺検査=内側側副靱帯の評価。
  • 屈曲30度:側副靱帯のみが主に緊張し、単独損傷を最も鋭敏に検出できる。
  • 伸展位:後方関節包・十字靱帯も緊張して最も安定する。ここでの動揺は重度損傷を示す。
  • 検査は健側から。正常値と患者の緊張度を把握してから患側を評価する。
  • 筋の防御性収縮は動揺を隠す。十分に脱力させて行う。
比較表
肢位緊張する主な組織陽性の意味
屈曲30度側副靱帯(主体)側副靱帯単独損傷
完全伸展位側副靱帯+後方関節包+十字靱帯十字靱帯・関節包を含む重度損傷
内反ストレス→外側側副靱帯/外反ストレス→内側側副靱帯
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