学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ27P096

理由で解く 柔道整復師

QJ27P096 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問96
問題
単純性股関節炎で正しいのはどれか。
選択肢
1 女児に多く発生する。
2 両側同時発症はない。
3 股関節開排制限が特徴である。
4 大腿骨頭壊死を起こすことがある。
解答
正解2(両側同時発症はない。)
解説

単純性股関節炎は片側性に発症するのが原則で、両側が同時に発症することはまずありません。正しいのは2です。

単純性(一過性)股関節炎は、3〜10歳ごろ、とくに5〜6歳前後の男児に多い股関節滑膜の一過性の炎症です。かぜなどの後に片側の股関節痛や鼠径部痛で始まり、膝への関連痛や跛行として現れることもあります。関節内に液がたまるため、股関節は容量が最も大きい軽度屈曲・外転・外旋位をとり、内旋と伸展が痛みで制限されます。安静を保てば1〜2週のうちに自然に軽快し、後遺症を残しません。ただし発熱がある、痛みが強くまったく荷重できない、症状が2週を超えて続くといった場合は、化膿性股関節炎やペルテス病を考えなければなりません。とくに化膿性股関節炎は緊急性が高いので、迷ったら経過観察で引っ張らず、医師の診察と画像・血液検査につなぐのが安全です。

✓ 2. 正しい
両側同時発症はない。
本症は片側性に起こるのが原則です。両側が同時に痛む場合は、若年性特発性関節炎など他の全身性の病態を考える手がかりになります。
✗ 1. 誤り
女児に多く発生する。
男児に多く発生します。好発年齢は3〜10歳で、5〜6歳前後が中心です。
✗ 3. 誤り
股関節開排制限が特徴である。
開排制限は乳児期の発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)を疑うときの所見です。本症で目立つのは、関節液貯留と疼痛による内旋・伸展の制限です。
✗ 4. 誤り
大腿骨頭壊死を起こすことがある。
本症は一過性で、骨頭壊死を残さずに治癒します。骨頭壊死をきたすのはペルテス病です。痛みや跛行が長引く例では鑑別のため医師の画像評価を仰ぎます。
ポイント
  • 3〜10歳(5〜6歳前後が中心)の男児に多く、片側性。両側同時発症はまずない。
  • 安静で1〜2週のうちに自然軽快し、後遺症を残さない。
  • 関節液貯留のため股関節は屈曲・外転・外旋位をとり、内旋と伸展が制限される。
  • 発熱、荷重不能、2週を超える症状は化膿性股関節炎・ペルテス病を疑う合図。医師へつなぐ。
  • 開排制限=発育性股関節形成不全のキーワード。本症とは別物として区別する。
比較表
単純性股関節炎ペルテス病化膿性股関節炎
好発3〜10歳・男児4〜8歳・男児乳幼児に多い
経過1〜2週で自然軽快数か月〜数年の経過急速に悪化
発熱なし〜軽度なし高熱・全身状態不良
骨頭壊死起こさない骨頭壊死が本態関節破壊をきたしうる
対応安静・経過観察医師による荷重管理緊急で医師へ
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