学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ26P098

理由で解く 柔道整復師

QJ26P098 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問98
問題
初期変形性膝関節症の痛みの特徴はどれか。
選択肢
1 動作開始時
2 動作中
3 動作後
4 夜間就寝時
解答
正解1(動作開始時)
解説

初期の変形性膝関節症は「動かし始めに痛み、動いているうちに軽くなる」動作開始時痛が特徴である。

初期は関節軟骨の摩耗と軽度の滑膜炎が中心で、安静にしている間に関節液の潤滑状態が低下し滑膜が硬くなるため、立ち上がりや歩き始めの数歩で痛みが出る。動かしているうちに潤滑が回復して痛みは和らぐので、患者は「歩き出しだけ痛い」「動いていると楽になる」と訴えることが多い。進行すると軟骨の摩耗と骨棘形成が進み、歩行中の持続痛、階段の昇り降り(とくに下り)での痛み、正座困難、内反変形が加わる。末期には安静時痛・夜間痛が出現し、日常生活が大きく制限される。つまり痛みが出るタイミングそのものが進行度の目安になる。初期の対応は大腿四頭筋の筋力強化、体重管理、正座や階段など負担の大きい動作の見直し、必要に応じた足底板の検討で、疼痛が強い時期は無理に動かさず、症状が持続する場合は医療機関での画像評価を勧める。

✓ 1. 正しい
動作開始時
立ち上がりや歩き始めの数歩で痛み、動くうちに軽減する。初期変形性膝関節症の代表的な訴えである。
✗ 2. 誤り
動作中
歩行中も痛みが続くのは進行期の特徴。初期は動いているうちに軽減するのが典型で、痛みの経過が逆になる。
✗ 3. 誤り
動作後
使いすぎた後に痛みが出る形は、スポーツ障害や炎症が強まった状態でみられる訴えで、初期変形性膝関節症の典型的な痛み方ではない。
✗ 4. 誤り
夜間就寝時
安静時痛・夜間痛は末期の所見。初期にこれがみられる場合は、強い炎症や他疾患の可能性も考えて医療機関での評価を勧める。
ポイント
  • 初期=動作開始時痛(starting pain)。動くうちに軽快するのが典型。
  • 進行期=歩行中の持続痛、階段昇降(とくに下り)の痛み、正座困難、可動域制限。
  • 末期=安静時痛・夜間痛、内反変形の顕在化。痛むタイミングが進行度の指標になる。
  • 初期対応は大腿四頭筋強化・体重管理・負担動作の見直し。
  • 夜間痛や強い腫脹・熱感があれば他疾患の可能性も考え、医療機関での評価につなぐ。
比較表
病期痛みのタイミング随伴所見
初期動作開始時(動くと軽快)軽度の関節裂隙狭小、こわばり
進行期動作中も持続、階段で増強骨棘形成、可動域制限、関節水腫
末期安静時痛・夜間痛高度の関節裂隙消失、内反変形、歩行障害
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