学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ26P097

理由で解く 柔道整復師

QJ26P097 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問97
問題
疼痛が主症状であるのはどれか。
選択肢
1 動揺性肩関節
2 デュピュイトラン (Dupuytren)拘縮
3 ベーカー(Baker)嚢腫
4 膝蓋軟骨軟化症
解答
正解4(膝蓋軟骨軟化症)
解説

4つのうち疼痛が主症状となるのは膝蓋軟骨軟化症。他の3つは不安定感・変形・腫瘤が前面に出て、痛みは目立たないのが特徴である。

膝蓋軟骨軟化症は膝蓋骨関節面の軟骨が軟化・線維化する病態で、若年女性やスポーツ選手に多い。階段の昇降、しゃがみ込み、長く座った後の立ち上がりなどで膝前面が痛み、膝蓋骨を大腿骨に押しつけながら動かすと疼痛や軋轢音が誘発される(膝蓋骨圧迫テスト)。背景には膝蓋大腿関節での圧の偏りがあり、大腿四頭筋とくに内側広筋の筋力低下やQ角の増大が関与する。整形外科的疾患を症状の「主役」で分類しておくと、この種の設問に強くなる。すなわち、動揺性肩関節は不安定感、デュピュイトラン拘縮は変形・拘縮、ベーカー嚢腫は腫瘤と圧迫感が主役で、いずれも疼痛が中心ではない。対応としては内側広筋を中心とした大腿四頭筋の強化、疼痛を誘発する動作(深いしゃがみ込みなど)の調整、下肢アライメントの評価を組み合わせる。

✗ 1. 誤り
動揺性肩関節
動揺性肩関節(ルーズショルダー)を指す。主症状は肩が抜けそうな不安感、脱力感、上肢のだるさで、疼痛が中心ではない。
✗ 2. 誤り
デュピュイトラン (Dupuytren)拘縮
手掌腱膜が肥厚・索状に硬くなり、環指・小指を中心に屈曲拘縮を生じる。主症状は手指が伸ばせない変形であり、通常は痛みを伴わない。
✗ 3. 誤り
ベーカー(Baker)嚢腫
膝窩の半膜様筋・腓腹筋内側頭の間の滑液包が膨隆したもので、腫瘤と圧迫感・突っ張り感が主症状。破裂すると痛みが出るが、通常は無痛性である。
✓ 4. 正しい
膝蓋軟骨軟化症
膝蓋骨関節面の軟骨変性により、階段昇降やしゃがみ込み、長時間の座位後の立ち上がりで膝前面が痛む。膝蓋骨圧迫テストで疼痛・軋轢音が誘発され、疼痛が明確に主症状となる。
ポイント
  • 疾患は「主役の症状」で仕分ける。疼痛/不安定感/変形・拘縮/腫瘤。
  • 膝蓋軟骨軟化症=膝前面痛。階段昇降・しゃがみ込み・座位後の立ち上がりで誘発。
  • 動揺性肩関節=不安定感と脱力感が主。疼痛は主役ではない。
  • デュピュイトラン拘縮=手掌腱膜の索状硬結と屈曲拘縮。通常は無痛。
  • ベーカー嚢腫=膝窩の腫瘤と圧迫感が主症状。通常は無痛で、破裂時に疼痛が出る。
  • 膝蓋軟骨軟化症の対応は大腿四頭筋(とくに内側広筋)の強化と、疼痛を誘発する動作の調整が柱。
比較表
疾患主症状疼痛の位置づけ
動揺性肩関節不安定感・脱力感・だるさ主症状ではない
デュピュイトラン拘縮手掌の索状硬結と屈曲拘縮通常伴わない
ベーカー嚢腫膝窩の腫瘤・圧迫感通常は無痛(破裂時は疼痛)
膝蓋軟骨軟化症膝前面痛・軋轢音主症状
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