学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ26P072

理由で解く 柔道整復師

QJ26P072 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問72
問題
足関節底屈強制で症状が誘発されるのはどれか。
選択肢
1 第1ケーラー(Köhler)病
2 有痛性三角骨
3 アキレス腱断裂
4 足底腱膜炎
解答
正解2(有痛性三角骨)
解説

足関節を強く底屈したときに後方で挟み込まれて痛むのが有痛性三角骨(足関節後方インピンジメント)である。

距骨後突起の外側結節が癒合せずに分離したものを三角骨という。足関節を最大底屈すると、脛骨の後縁と踵骨の後上縁の間で三角骨とその周囲の軟部組織が挟み込まれ、アキレス腱の前方から足関節後外側にかけて痛みが生じる。バレエのポワント、サッカーのインステップキック、新体操など底屈を反復・強制する動作で症状が出やすく、徒手的に足関節を強制底屈させる誘発テストが陽性となる。他の3つはいずれも痛む部位も誘発肢位も異なり、「どの動きで痛むか」を整理しておけば迷わない。

✗ 1. 該当しない
第1ケーラー(Köhler)病
足舟状骨の骨端症で、幼児から学童(男児に多い)に発症する。足背内側の舟状骨部に圧痛と腫脹があり、荷重時痛や跛行を示す。誘発するのは荷重であって底屈強制ではない。
✓ 2. 正しい
有痛性三角骨
底屈強制により脛骨後縁と踵骨の間で三角骨が挟まれ、疼痛が誘発される。圧痛はアキレス腱前方(足関節後外側)に限局する。急性期は底屈強制を避け、患部の安静・アイシングとテーピングで底屈を制限し、症状が続く場合は画像診断のため医師へ紹介する。
✗ 3. 該当しない
アキレス腱断裂
踏み込みや急な背屈強制で受傷し、断裂部に陥凹を触れ、トンプソンテスト陽性、つま先立ちが不能となる。底屈を強制して痛みが誘発される疾患ではなく、むしろ底屈する力が出ないことが問題になる。
✗ 4. 該当しない
足底腱膜炎
踵骨内側突起の足底腱膜付着部の障害で、起床後の第一歩や長時間立位後に踵の痛みが出る。足趾や足関節を背屈して腱膜を伸ばすと疼痛が誘発される(ウィンドラス機構)。底屈では腱膜が緩むため痛みは誘発されない。
ポイント
  • 三角骨=距骨後突起外側結節の分離骨。底屈強制で脛骨後縁と踵骨の間に挟まれる(後方インピンジメント)。
  • 圧痛はアキレス腱の前方〜足関節後外側。バレエ・サッカーなど底屈反復競技に多い。
  • 「底屈で痛む=後方の問題」「背屈で痛む=足底腱膜炎・前方インピンジメント」と対で覚える。
  • ケーラー病は第1=足舟状骨(幼児〜学童)、第2=フライバーグ病=中足骨頭(第2中足骨、思春期女子)。
  • 対応は底屈強制を避けた安静・アイシング・テーピング。長引く場合や骨折との鑑別が必要な場合は医師の画像診断へ。
比較表
疾患誘発される肢位・動作圧痛部位
有痛性三角骨足関節底屈強制アキレス腱前方・後外側
足底腱膜炎足趾・足関節の背屈、起床後第一歩踵骨内側突起(足底)
第1ケーラー病荷重・歩行足背内側の舟状骨部
アキレス腱断裂踏み込み・急な背屈強制で受傷踵骨付着部上方の陥凹部
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