学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ26A028

理由で解く 柔道整復師

QJ26A028 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問28
問題
大腿骨頸部外側骨折の部位はどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
解答
正解3
解説

大腿骨頸部外側骨折とは、関節包の外側にある転子部(大転子と小転子の間)の骨折を指す。図でこの範囲を示しているのはcで、正答は3。

本問は大腿骨近位部の模式図4枚から、指定された部位を塗り分けた図を選ぶ形式である。aは骨頭のすぐ下(骨頭下部)を横切る狭い帯、bは頸部を横切る帯(頸部中間部)、cは大転子から小転子にかけて広がる転子部全体、dは大転子の内側にあって頸部と転子部の移行部にあたる楔状の狭い範囲を示している。判定の基準は一つだけで、関節包が付着する位置を境に内か外かを見る。関節包の内側(包内)で起こるのが内側骨折(狭義の大腿骨頸部骨折)、外側(包外)で大転子と小転子の間に起こるのが外側骨折(転子部骨折)である。この境界一つで臨床像がほぼ決まる。包内は骨膜に乏しく、骨頭を養う血管が骨折によって断たれやすいため、骨癒合が遅れて偽関節となったり大腿骨頭壊死を起こしたりしやすく、出血は関節内にとどまるので腫脹や皮下出血は目立たない。一方、包外の転子部は海綿骨に富んで血流も保たれるため癒合しやすいが、出血量が多く腫脹・皮下出血が強く現れ、外旋変形も著明になる。どちらも高齢者では臥床が長引くほど全身状態が悪化するため、早期に医師の診断・治療へつなぐことが重要である。

✓ 3. 正しい
c
cが示すのは大転子から小転子にかけて広がる転子部で、関節包の外側にあたる。ここに起こる骨折が大腿骨頸部外側骨折(=転子部骨折)である。海綿骨に富み血流が保たれるため癒合はしやすいが、出血量が多く腫脹・皮下出血と外旋変形が強い。
✗ 1. 誤り
a
aが示すのは骨頭のすぐ下(骨頭下部)で、関節包の内側にあたる。ここでの骨折は内側骨折に分類され、骨頭への血流が絶たれやすく大腿骨頭壊死や偽関節が問題になる。外側骨折には含まれない。
✗ 2. 誤り
b
bが示すのは頸部を横切る範囲(頸部中間部)で、ここも関節包の内側にあたる。狭義の大腿骨頸部骨折=内側骨折であり、外側骨折ではない。
✗ 4. 誤り
d
dが示すのは大転子の内側にある楔状の狭い範囲で、頸部と転子部の移行部にあたる。大転子から小転子にかけて広がる転子部そのものではないため、本問が問う頸部外側骨折の部位としては選べない。
ポイント
  • 図で選ぶときの基準:「大転子と小転子の間(転子部)を塗った図」を探す。ここが関節包の外側=外側骨折である。
  • 関節包の付着部を境に、包内=内側骨折(狭義の頸部骨折)、包外=外側骨折(転子部骨折)に分ける。
  • 内側骨折:骨膜に乏しく骨頭への血流が絶たれやすい。偽関節・大腿骨頭壊死のリスクが高い。
  • 外側骨折:海綿骨に富み癒合しやすいが、出血量が多く腫脹・皮下出血が強い。
  • いずれも患肢は短縮し外旋位をとる。外旋は外側骨折でより著明。高齢者では臥床の長期化により肺炎・褥瘡・認知機能低下が進むため、早期に医師へつなぐ。
比較表
項目内側骨折(頸部内側骨折)外側骨折(転子部骨折)
関節包との関係包内包外
骨質皮質骨主体、骨膜に乏しい海綿骨に富む
出血・腫脹関節内にとどまり目立たない多量、腫脹・皮下出血が強い
骨癒合遅れやすく偽関節になりうる癒合しやすい
主な合併症大腿骨頭壊死内反変形、出血によるショック
外旋変形軽度著明
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