学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ26A030

理由で解く 柔道整復師

QJ26A030 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問30
問題
肋骨骨折でみられないのはどれか。
選択肢
1 圧迫骨折
2 脆弱性骨折
3 疲労骨折
4 多発骨折
解答
正解1(圧迫骨折)
解説

圧迫骨折は椎体のように海綿骨に富む骨が長軸方向の圧で押しつぶされて生じる骨折型であり、細く湾曲した肋骨には生じない。正答は1。

肋骨は弓なりに湾曲した薄い扁平骨で、外力に対しては主に「曲げ」の力が働く。胸壁を直接打つ直達外力では、その部位が胸腔側へ折れ込む内方凸の骨折となり、前後から胸郭を圧迫する介達外力では、もともとの湾曲がさらに強まって外方凸の骨折となる。つまり肋骨骨折は屈曲によって生じるものであり、上下から押しつぶされる圧潰の形はとらない。一方、骨粗鬆症を背景に咳やくしゃみ、寝返りといった軽微な力で折れる脆弱性骨折、繰り返す咳やゴルフのスイング・ボート漕ぎなど反復動作による疲労骨折、強い外力で複数の肋骨が折れる多発骨折はいずれも実際に起こる。連続する肋骨がそれぞれ2か所で折れると胸壁の一部が呼吸と逆に動く奇異呼吸(動揺性胸郭)となるため、呼吸困難・血痰・皮下気腫があれば気胸や血胸を疑い、ただちに医師の診療につなぐ。

✓ 1. これが答え(肋骨ではみられない)
圧迫骨折
圧迫骨折は椎体など海綿骨主体の骨が長軸方向の圧を受けて圧潰する骨折型である。湾曲した細長い肋骨に加わるのは曲げの力であり、圧潰する形の骨折は生じない。
✗ 2. みられる(答えではない)
脆弱性骨折
骨粗鬆症などで骨強度が低下していると、咳・くしゃみ・寝返りといった日常の軽微な力でも肋骨が折れる。高齢者で明らかな外傷歴のない胸部痛では、この可能性を念頭に置いて医師へつなぐ。
✗ 3. みられる(答えではない)
疲労骨折
繰り返す咳(咳嗽性骨折)や、ゴルフのスイング・ボート漕ぎ・投球など体幹の回旋を反復する動作で肋骨に疲労骨折が生じる。反復動作の内容を問診で確かめることが手掛かりになる。
✗ 4. みられる(答えではない)
多発骨折
交通事故や高所からの転落など強い外力では複数の肋骨が同時に折れる。連続する肋骨が2か所ずつ折れると動揺性胸郭となり奇異呼吸を示すため、呼吸状態を確認して直ちに医師へ引き継ぐ。
ポイント
  • 肋骨は「曲げ」で折れる。直達外力では内方凸、介達外力では外方凸の骨折となる。
  • 圧迫骨折は椎体など海綿骨主体の骨が長軸圧で圧潰する骨折型で、肋骨には生じない。
  • 骨粗鬆症では咳・くしゃみなどの軽微な力で脆弱性骨折が起こる。
  • 反復する咳やスイング動作、ボート漕ぎなどで疲労骨折が起こる。
  • 多発骨折では動揺性胸郭(奇異呼吸)に注意。呼吸困難・血痰・皮下気腫があれば気胸・血胸を疑い、直ちに医師へつなぐ。
比較表
骨折の型肋骨での有無説明
圧迫骨折みられない椎体など海綿骨主体の骨が長軸圧で圧潰する型
脆弱性骨折みられる骨粗鬆症で咳・くしゃみなど軽微な力で発生
疲労骨折みられる反復する咳、ゴルフ、ボート漕ぎなどで発生
多発骨折みられる強い外力で複数骨折。動揺性胸郭・奇異呼吸に注意
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