学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §44 整形外科学 / QJ26A027

理由で解く 柔道整復師

QJ26A027 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問27
問題
動揺性肩関節の動揺性の主な方向はどれか。
選択肢
1 前方
2 後方
3 外方
4 下方
解答
正解4(下方)
解説

動揺性肩関節(ルーズショルダー)の動揺性は下方が主体で、上肢を牽引すると肩峰と骨頭の間に溝ができるサルカス徴候が陽性となる。正答は4。

明らかな外傷がないのに肩関節が過度に緩い状態で、関節包が広く緩い、関節窩が浅い、腱板や肩甲帯の筋による支持が弱いといった素因が背景にある。上肢を下垂位で長軸方向に牽引すると骨頭が下がり、肩峰の下に指が入るような溝(サルカス)が現れるのが典型所見である。重い物を提げる、腕を下げ続けるといった動作でだるさ・しびれ・脱力を訴えることが多い。治療は保存療法が基本で、腱板と肩甲骨周囲筋(前鋸筋・僧帽筋下部など)を鍛えて骨頭を関節窩の中心に保つ訓練を継続し、重量物を長時間提げ続けない姿勢・動作の工夫を合わせて指導する。

✓ 4. 正しい
下方
下方への動揺が主体で、上肢の牽引によりサルカス徴候(肩峰下の溝)が陽性となる。多方向性の緩さを示すことも多いが、その中心は下方不安定性である。
✗ 1. 誤り
前方
前方の不安定性が問題になるのは、初回の外傷性脱臼を契機とする反復性肩関節脱臼である。外転・外旋を強制したときの不安感テストが陽性になる点でも動揺性肩関節とは異なる。
✗ 2. 誤り
後方
後方不安定性が単独で主体となることはまれで、動揺性肩関節の代表的な動揺方向としては挙げられない。
✗ 3. 誤り
外方
肩関節の不安定性は前方・後方・下方で評価するのが基本であり、外方は動揺性の方向として用いられない。
ポイント
  • 動揺性肩関節=明らかな外傷歴なく肩が過度に緩い状態。若年者・女性に多く両側性のことが多い。
  • 主な動揺方向は下方。サルカス徴候(肩峰下の溝)が陽性となる。
  • 重い物を提げる・腕を下げ続ける姿勢で、疼痛よりもだるさ・しびれ・脱力を訴えやすい。
  • 治療は保存療法が中心。腱板と肩甲帯筋を強化し、骨頭を求心位に保つ訓練を続ける。
  • 外傷性反復性肩関節脱臼(前方が主、外転外旋で不安感)とは成り立ちも方向も異なる。
比較表
項目動揺性肩関節外傷性反復性肩関節脱臼
外傷歴明らかな外傷がない初回の脱臼がきっかけ
主な方向下方(多方向性を示すことも)前方
特徴的な所見サルカス徴候外転外旋での不安感テスト
両側性多いまれ
主な訴えだるさ・しびれ・脱力特定の肢位での抜けそうな不安感
治療保存療法(筋力強化)が中心手術を要することが多い
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