学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ25P078

理由で解く 柔道整復師

QJ25P078 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問78
問題
肩関節前方脱臼に合併する上腕骨頭の陥没部位で正しいのはどれか。
選択肢
1 前内方
2 前外方
3 後内方
4 後外方
解答
正解4(後外方)
解説

肩関節前方脱臼に合併する上腕骨頭の陥没は後外方に生じる。これがヒル・サックス損傷で、骨頭が前方へ抜ける際に関節窩の前縁とぶつかることで起こる。

前方脱臼では上腕骨頭が関節窩の前下方へ滑り出る。このとき骨頭は関節窩前縁を乗り越えるように移動し、骨頭の後外側部分が硬い関節窩前縁に押しつけられて圧縮される。その結果、骨頭後外側に陥没(圧迫骨折)が残るのがヒル・サックス損傷である。同じ衝突の裏返しとして、関節窩側では前下縁の関節唇が剥離するバンカート損傷が生じる。この2つは前方脱臼における「骨頭側の傷」と「関節窩側の傷」として対になっており、いずれも反復性脱臼の原因となる。陥没が大きいと外転外旋位で骨頭が関節窩前縁に引っかかり(エンゲージング)、脱臼を繰り返しやすくなる。整復後も不安感テストが陽性のときは、画像評価のため医師の診察につなげたい。

✓ 4. 正しい
後外方
骨頭が前方へ抜ける際、後外側部分が関節窩前縁に衝突して陥没する。ヒル・サックス損傷の部位として正しい。
✗ 1. 誤り
前内方
前内方は骨頭が抜け出ていく側であり、関節窩と強く衝突する面ではない。陥没が生じる位置として合わない。
✗ 2. 誤り
前外方
骨頭前面は脱臼の進行方向を向いており、関節窩前縁に押しつけられる面ではない。前方脱臼で陥没する部位ではない。
✗ 3. 誤り
後内方
後方であっても内側寄りの面は関節窩前縁と接触しにくい。衝突が集中するのは外側寄りの後外方である。
ポイント
  • ヒル・サックス損傷=肩関節前方脱臼で生じる上腕骨頭後外方の陥没(圧迫骨折)。
  • 機序は骨頭後外側が関節窩前縁に衝突して圧縮されること。
  • 対になる損傷がバンカート損傷(関節窩前下縁の関節唇剥離)。骨頭が抜けていく先にある関節窩前下縁が剥離する。
  • 陥没が大きいと外転外旋位で引っかかり、反復性脱臼の原因となる。
  • 後方脱臼では逆に骨頭前内側が陥没する(逆ヒル・サックス損傷)と対比して覚える。
比較表
骨頭側の損傷関節窩側の損傷
肩関節前方脱臼ヒル・サックス損傷(骨頭後外方の陥没)バンカート損傷(関節窩前下縁の関節唇剥離)
肩関節後方脱臼逆ヒル・サックス損傷(骨頭前内方の陥没)逆バンカート損傷(関節窩後縁)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。