学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P077

理由で解く 柔道整復師

QJ25P077 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問77
問題
介達外力によって発生する肩甲骨骨折の部位はどれか。
選択肢
1 関節窩
2 体部
3 肩峰
4 下角
解答
正解1(関節窩)
解説

肩甲骨骨折の大部分は直達外力によりますが、関節窩骨折は上腕骨頭が関節窩へ突き上げられる介達外力で発生します。

肩甲骨は厚い筋層に覆われて胸郭上を滑るように動くため、体部・肩甲棘・肩峰・下角といった部位は、直接的な打撲や轢過など強い直達外力を受けたときに折れます。これに対して関節窩は上腕骨頭と直接接しており、肩から転倒したり肘・手をついたりすると、骨頭が関節窩に押し込まれる形で骨折します。これが介達外力による骨折で、肩関節脱臼に合併することも少なくありません。烏口突起も、付着する筋や烏口鎖骨靱帯の牽引によって介達的に折れることがあります。

✓ 1. 正しい
関節窩
関節窩は上腕骨頭と向かい合う関節面で、肩・肘・手をついた際の力が骨頭を介して伝わり、突き上げられて骨折します。介達外力による肩甲骨骨折の代表であり、関節内骨折のため関節面の段差を残すと可動域制限や後の変形性変化につながります。
✗ 2. 誤り
体部
体部(肩甲骨体部)は背部への直接の打撲や転倒・轢過など直達外力で骨折します。周囲を肩甲下筋・棘下筋などの厚い筋が覆っているため転位は少なく、保存療法で癒合が期待できる部位です。
✗ 3. 誤り
肩峰
肩峰は肩の最上部で皮下に触れる位置にあり、上方からの直達外力で折れます。肩鎖関節脱臼との鑑別や、腱板損傷の合併の確認が必要になる部位です。
✗ 4. 誤り
下 角
下角も背部への直達外力で骨折する部位です。周囲筋に保護されているため単独骨折は多くありません。なお肩甲骨骨折は高エネルギー外傷で生じることがあるため、肋骨骨折・血気胸・腕神経叢損傷の合併に注意し、呼吸苦や上肢の知覚運動障害があれば速やかに医療機関へつなぎます。
ポイント
  • 肩甲骨骨折の大半は直達外力(体部・肩甲棘・肩峰・下角)による。
  • 介達外力で生じるのは関節窩骨折(骨頭の突き上げ)と烏口突起骨折(筋・靱帯の牽引)。
  • 関節窩骨折は関節内骨折で、肩関節脱臼に合併しやすい。
  • 体部骨折は厚い筋に覆われ転位が少なく、保存療法で癒合しやすい。
  • 高エネルギー外傷では肋骨骨折・血気胸・腕神経叢損傷の合併を確認し、疑えば医療機関へ紹介する。
比較表
部位主な発生機序特徴
関節窩介達外力(骨頭の突き上げ)関節内骨折。肩関節脱臼に合併しやすい
烏口突起介達外力(筋・靱帯の牽引)/直達肩鎖関節損傷に伴うことがある
体部・肩甲棘直達外力厚い筋に覆われ転位は少ない
肩峰直達外力(上方からの打撲)肩鎖関節脱臼・腱板損傷との鑑別が要る
下角直達外力単独骨折はまれ
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