学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P076

理由で解く 柔道整復師

QJ25P076 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問76
問題
セイヤー絆創膏固定法で正しいのはどれか。
選択肢
1 第Ⅰ帯は患肢を挙上させて下方転位を防止する。
2 第Ⅱ帯は肩を外方に引き鎖骨の短縮転位を防止する。
3 第Ⅲ帯は前腕の重量で骨折部に圧迫力を加える。
4 第Ⅳ帯は上腕を固定し患部の動揺性を防止する。
解答
正解3(第Ⅲ帯は前腕の重量で骨折部に圧迫力を加える。)
解説

セイヤー絆創膏固定法は鎖骨骨折に用いる3本の絆創膏による固定で、第Ⅲ帯は患側の前腕を吊り上げ、その重量を利用して骨折部に圧迫を加えます。

3本の帯はそれぞれ役割が違い、「第Ⅰ帯=短縮を防ぐ」「第Ⅱ帯=下方転位を防ぐ」「第Ⅲ帯=圧迫を加える」と分けて覚えると混同しません。第Ⅰ帯は腋窩に枕子を当てて上腕を体幹に固定し、肩を後外方へ引くことで鎖骨の短縮転位を防ぎます。第Ⅱ帯は健側の肩から患側の肘部へかけて引き上げ、遠位骨片が下がるのを防ぎます。第Ⅲ帯は患側の手を健側の肩へ載せた位置で前腕を吊り、前腕の重さが骨折部を押さえる力として働きます。帯は第Ⅲ帯までで完結するため「第Ⅳ帯」は存在しません。

✓ 3. 正しい
第Ⅲ帯は前腕の重量で骨折部に圧迫力を加える。
第Ⅲ帯は肘を挙上した位置で前腕を吊り上げる帯で、前腕の重量が下向きの力として骨折部に伝わり、局所への圧迫として働きます。3本の中で唯一「圧迫」を担当する帯であり、記述どおりです。
✗ 1. 誤り
第Ⅰ帯は患肢を挙上させて下方転位を防止する。
患肢(肘)を挙上して下方転位を防ぐのは第Ⅱ帯の役割です。第Ⅰ帯は腋窩枕子とともに上腕を体幹に固定し、肩を後外方へ引いて鎖骨の短縮転位を防ぎます。選択肢1と2は役割がそのまま入れ替わっているので、セットで確認すると覚えやすくなります。
✗ 2. 誤り
第Ⅱ帯は肩を外方に引き鎖骨の短縮転位を防止する。
肩を外方へ引いて短縮転位を防ぐのは第Ⅰ帯の役割です。第Ⅱ帯は健側肩から患側肘部を通して引き上げ、遠位骨片の下方転位を防ぎます。帯の走行(どこからどこへ通すか)と防ぐ転位の向きを結びつけて整理しましょう。
✗ 4. 誤り
第Ⅳ帯は上腕を固定し患部の動揺性を防止する。
セイヤー絆創膏固定法は第Ⅰ帯~第Ⅲ帯の3本で構成され、第Ⅳ帯はありません。上腕を体幹に固定して動揺性を抑える働きは第Ⅰ帯が担当します。固定後は絆創膏によるかぶれや、腋窩枕子の圧迫による循環・神経障害の有無を毎回確認し、指先のしびれや色調変化があれば巻き直します。
ポイント
  • 第Ⅰ帯=短縮転位の防止:腋窩枕子+上腕を体幹に固定し、肩を後外方へ引く。
  • 第Ⅱ帯=下方転位の防止:健側肩から患側肘部を通して患肢を挙上する。
  • 第Ⅲ帯=圧迫の付与:前腕を吊り、前腕の重量で骨折部に圧迫を加える。
  • 帯は3本のみ。「第Ⅳ帯」という選択肢が出たら、その時点で誤りと判断できる。
  • 固定中は指先の色調・知覚・腫脹と皮膚のかぶれを毎回チェックし、異常があれば巻き直す。
比較表
おおまかな走行・操作ねらい(防ぐ転位)
第Ⅰ帯腋窩枕子を当て、上腕を体幹に固定して肩を後外方へ引く鎖骨の短縮転位の防止・上腕の動揺抑制
第Ⅱ帯健側肩から患側肘部を通して患肢を引き上げる遠位骨片の下方転位の防止
第Ⅲ帯患側の手を健側肩に載せ、前腕を吊る前腕の重量による骨折部への圧迫
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