学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ24P083

理由で解く 柔道整復師

QJ24P083 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問83
問題
手舟状骨骨折で多いのはどれか。
選択肢
1 結節部
2 近位1/3部
3 腰部
4 遠位1/3部
解答
正解3(腰部)
解説

手舟状骨骨折は中央のくびれた部分である腰部に最も多く、全体のおよそ7〜8割を占めます。

手をついて手関節を強く背屈した際、舟状骨は橈骨遠位端と有頭骨の間に挟み込まれるように折れます。舟状骨は中央がくびれた形をしており、応力がこの腰部に集中するため折れやすいのです。栄養血管は主に遠位・背側から入って近位へ流れるので、腰部やそれより近位で折れると近位骨片への血流が断たれ、遷延癒合・偽関節・近位骨片の阻血性壊死につながります。受傷直後のX線では骨折線が写らないことも多く、解剖学的嗅ぎタバコ入れ(スナッフボックス)の圧痛や母指軸圧痛があれば骨折に準じて母指を含めた固定を行い、2週間ほど後に再検査を受けてもらうのが安全な対応です。

✓ 3. 正しい
腰部
舟状骨の中央のくびれ部で、背屈強制時に応力が集中するため最も骨折頻度が高い部位です。血行の分水嶺にもあたり、癒合不良を起こしやすい点も併せて重要です。
✗ 1. 誤り
結節部
舟状骨遠位の掌側に突出する部分で、血行が豊富なため骨折しても癒合は良好です。ただし頻度は腰部よりはるかに低く、「多いのはどれか」の答えにはなりません。
✗ 2. 誤り
近位1/3部
血行が最も乏しく、偽関節や阻血性壊死の危険が最も高い部位ですが、発生頻度としては腰部に及びません。「予後が悪い部位」と「頻度が高い部位」を混同しないことが本問の要点です。
✗ 4. 誤り
遠位1/3部
遠位側は栄養血管の入り口に近く血行が良好で癒合しやすい部位ですが、頻度は低く最多ではありません。
ポイント
  • 頻度は腰部(中央1/3)が最多で約7〜8割。手関節背屈強制で受傷する。
  • 栄養血管は遠位・背側から近位へ流れる。近位で折れるほど阻血性壊死・偽関節のリスクが上がる。
  • 頻度が高い部位(腰部)と予後が最も悪い部位(近位1/3部)を区別して覚える。
  • 初期X線で骨折線が写らないことがある。スナッフボックスの圧痛があれば骨折として固定し、約2週後に再検査へつなぐ。
比較表
部位頻度血行癒合の見通し
結節部低い豊富良好
遠位1/3部低い良好比較的良好
腰部(中央1/3)最多境界域遷延癒合・偽関節を起こしうる
近位1/3部少ない乏しい最も不良(阻血性壊死)
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