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理由で解く 柔道整復師

QJ25P046 外科学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問46
問題
移植で正しいのはどれか。
選択肢
1 改正臓器移植法では 15歳未満の脳死判定は行わない。
2 移植臓器の生着には主要組織適合抗原は関係しない。
3 臓器保存可能時間は各臓器とも一定である。
4 免疫抑制薬の副作用として二次発癌がある。
解答
正解4(免疫抑制薬の副作用として二次発癌がある。)
解説

正しいのは4。免疫抑制薬を長期に使うと免疫監視機構が働きにくくなり、移植後リンパ増殖性疾患や皮膚癌などの二次発癌が起こりえます。

移植医療は「拒絶反応を抑える」ことと「抑えすぎた代償を受け入れる」ことのバランスの上に成り立っています。免疫抑制薬は T 細胞の活性化を抑えて拒絶を防ぎますが、同時にウイルス感染細胞や異常細胞を排除する免疫監視も弱めます。その結果、EBウイルスの再活性化を背景とした移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、皮膚癌、カポジ肉腫などの発生が一般人口より高くなります。感染症、腎障害、耐糖能異常、高血圧なども代表的な副作用で、長期のフォローアップが欠かせません。

✓ 4. 正しい
免疫抑制薬の副作用として二次発癌がある。
免疫抑制により腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対する監視能が低下し、悪性リンパ腫(PTLD)や皮膚癌などが生じやすくなります。定期的な血液検査・画像検査・皮膚の観察と、遮光などの生活指導を継続することが大切です。
✗ 1. 誤り
改正臓器移植法では 15歳未満の脳死判定は行わない。
2010年7月に全面施行された改正臓器移植法により、本人の意思が不明でも家族の承諾があれば脳死下臓器提供が可能になり、15歳未満からの提供も認められました。この設問が出題された時点ですでに施行されており、小児の脳死判定は所定の手順に従って実施されます。
✗ 2. 誤り
移植臓器の生着には主要組織適合抗原は関係しない。
主要組織適合抗原(ヒトではHLA)は、T細胞が「自己か非自己か」を判定する目印そのものです。ドナーとレシピエントのHLAが合わないほど拒絶反応が強く、生着率に直結します。とくに腎移植ではHLA適合度が長期成績に影響するため、適合検査とクロスマッチが行われます。
✗ 3. 誤り
臓器保存可能時間は各臓器とも一定である。
保存可能時間は臓器の虚血への強さで大きく異なります。心臓は約4時間、肺は約8時間、肝臓は約12時間、腎臓は約24時間が目安で、心臓のように代謝が活発で虚血に弱い臓器ほど短くなります。この差が搬送計画やレシピエント選定の制約になります。
ポイント
  • 免疫抑制薬の代表的副作用は易感染性・腎障害・耐糖能異常・高血圧、そして二次発癌(PTLD、皮膚癌)。
  • 改正臓器移植法(2010年7月全面施行)で家族承諾による提供と15歳未満からの提供が可能になった。
  • HLA(主要組織適合抗原)の適合度は拒絶反応と生着率を左右する。
  • 保存可能時間の目安は心臓4時間<肺8時間<肝臓12時間<腎臓24時間。虚血に弱い臓器ほど短い。
比較表
臓器保存可能時間の目安覚え方
心臓約4時間拍動を続ける臓器で虚血に最も弱い
約8時間心臓の倍程度
肝臓約12時間代謝臓器だが心肺よりは余裕がある
膵臓約12〜24時間肝臓〜腎臓の間
腎臓約24時間透析で待機できるため最も余裕がある
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