学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ25P020

理由で解く 柔道整復師

QJ25P020 リハビリテーション医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問20
問題
PTB 式免荷装具の適応はどれか。
選択肢
1 変形性膝関節症
2 変形性足関節症
3 腓骨神経麻痺
4 脳梗塞後遺症
解答
正解2(変形性足関節症)
解説

PTB(膝蓋腱支持)式免荷装具は、膝蓋腱と下腿近位部で体重を受け止め、そこより遠位の下腿遠位・足関節・足部への荷重を減らす装具である。したがって足関節の疾患である変形性足関節症が適応となる。

PTB とは patellar tendon bearing の略で、もともとは下腿義足のソケット形式である。膝蓋腱、脛骨内側顆、下腿の筋腹といった圧に耐えられる部位に体重を分散して支える考え方で、これを装具に応用したものが PTB 式免荷装具になる。支柱と足部(あぶみや足底板)を通して床反力を直接下腿近位へ伝えるため、患部を通らない荷重のバイパスができる。ここから導かれる原則は「免荷されるのは装着部より遠位だけ」ということで、膝関節そのものを免荷することはできない。適応は脛骨骨折の遷延癒合・偽関節、変形性足関節症、距骨の骨壊死、踵骨骨折後などである。長期に使うと下腿の筋萎縮や膝蓋腱部の疼痛が生じうるので、荷重量と装着時間を調整しながら筋力訓練を続けることが大切になる。

✗ 1. 誤り
変形性膝関節症
PTB 式装具が体重を受けるのは膝蓋腱・下腿近位であり、免荷できるのはそれより遠位。膝関節自体は荷重経路の上流にあたるため免荷されない。膝の変形性関節症には外側楔状足底板、支柱付き膝装具、大腿四頭筋訓練、体重管理などで対応する。
✓ 2. 正しい
変形性足関節症
足関節は装着部より遠位にあるため、PTB 式免荷装具で荷重を肩代わりできる。関節面にかかる負荷が減って歩行時の疼痛が軽くなり、歩行距離を伸ばせる。同じ理屈で距骨壊死、踵骨骨折後、脛骨の遷延癒合・偽関節にも用いられる。
✗ 3. 誤り
腓骨神経麻痺
前脛骨筋などの麻痺による下垂足が問題であり、必要なのは荷重を減らすことではなく足関節背屈の補助と遊脚期のつま先の引っかかり予防。プラスチック短下肢装具や後方板ばね式短下肢装具が適応となる。
✗ 4. 誤り
脳梗塞後遺症
片麻痺で問題になるのは内反尖足や膝折れなどの支持性・制動であって、荷重制限ではない。短下肢装具(AFO)や、膝の支持が必要な段階では長下肢装具を用いる。
ポイント
  • PTB=patellar tendon bearing(膝蓋腱支持)。膝蓋腱・脛骨内側顆・下腿近位の筋腹で体重を受ける。
  • 免荷が効くのは装着部より遠位のみ。足関節・足部・下腿遠位には効き、膝関節には効かない。
  • 適応:変形性足関節症、脛骨骨折の遷延癒合・偽関節、距骨壊死、踵骨骨折後など。
  • 麻痺(腓骨神経麻痺・片麻痺)に必要なのは免荷ではなく背屈補助や支持性の確保 → 短下肢装具・長下肢装具。
  • 装具は「どこで体重を受けて、どこを浮かせるか」で整理すると選択を間違えにくい。
  • 長期装着では下腿の筋萎縮や膝蓋腱部の疼痛に注意し、荷重量・装着時間の調整と筋力訓練を続ける。
比較表
装具主な目的代表的な適応
PTB 式免荷装具装着部より遠位の免荷変形性足関節症、脛骨の遷延癒合・偽関節、距骨壊死、踵骨骨折後
外側楔状足底板・支柱付き膝装具膝の内側コンパートメントへの負荷軽減、内外反の制動変形性膝関節症
プラスチック短下肢装具、後方板ばね式短下肢装具足関節背屈の補助、下垂足の防止腓骨神経麻痺
短下肢装具(AFO)、長下肢装具内反尖足の矯正、膝折れの防止、立脚期の支持脳梗塞後遺症(片麻痺)
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