学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ25A066

理由で解く 柔道整復師

QJ25A066 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問66
問題
熱の放散を増加させるのはどれか。
選択肢
1 発汗
2 ふるえ
3 蛋白質摂取
4 皮膚血管の収縮
解答
正解1(発汗)
解説

熱の放散を増やすのは発汗である。汗が蒸発するときに奪う気化熱を利用しており、外気温が体温より高い状況でも働く唯一の放熱経路である。

体温調節中枢は視床下部(視索前野・前視床下部)にあり、熱の産生と放散のバランスを調節している。放散の経路は輻射・伝導・対流・蒸発の4つで、前の3つは体表と環境の温度差があってこそ成り立つ。暑いときはまず皮膚血管を拡張して皮膚血流を増やし、輻射や対流で熱を逃がす。それでも足りないとエクリン汗腺(交感神経コリン作動性線維の支配)から汗を出し、水1gあたり約0.58kcalの気化熱で体を冷やす。反対に寒いときは皮膚血管を収縮させて放散を抑え、ふるえや非ふるえ熱産生で熱を作る。設問が「産生」と「放散」のどちらを問うているかを読み分けるのがこの型の問題のコツである。

✓ 1. 正しい
発汗
汗の蒸発による気化熱で熱を放散する。湿度が高いと汗が蒸発しにくく放熱効率が落ちるため、熱中症が起こりやすくなる。
✗ 2. 誤り
ふるえ
骨格筋が不随意に細かく収縮して熱を作る反応で、寒冷時の熱産生を担う。放散を増やす反応ではない。
✗ 3. 誤り
蛋白質摂取
食後に代謝が高まる食事誘発性熱産生(特異動的作用)は三大栄養素のなかで蛋白質が最も大きい。これも熱産生を増やす側の反応である。
✗ 4. 誤り
皮膚血管の収縮
皮膚血流を減らして体表の温度を下げ、熱が逃げるのを抑える寒冷時の反応である。放散はむしろ減少する。
ポイント
  • 熱放散の経路は輻射・伝導・対流・蒸発の4つ。蒸発(発汗)だけは気温が体温より高くても働く。
  • 体温調節中枢は視床下部(視索前野・前視床下部)。
  • 暑熱時=皮膚血管拡張+発汗、寒冷時=皮膚血管収縮+ふるえ・非ふるえ熱産生。
  • 食事誘発性熱産生(特異動的作用)は蛋白質が最大で、熱産生を増やす側。
  • 湿度が高いと汗が蒸発せず放熱が働きにくい。高温多湿は熱中症の条件。
比較表
熱産生を増やす熱放散を増やす
主な反応ふるえ、非ふるえ熱産生(褐色脂肪)、食事誘発性熱産生発汗、皮膚血管拡張
働く場面寒冷時、食後暑熱時、運動後
関わるホルモン等甲状腺ホルモン、アドレナリン交感神経コリン作動性線維(エクリン汗腺)
皮膚血管収縮(放散を抑える)拡張(放散を促す)
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